6月28日
ブラジル、美しく強く1位突破
ブラジルがしっかりと勝利を手にし、E組1位で突破を決めた。勝つしかないセルビアが体格を生かして激しくフィジカルな戦いを挑んできたが、ブラジルは一歩も引かずに立ち向かい、美しい得点で勝負を決めた。
均衡を破ったのは前半36分。相手をいなしたMFコウチーニョが中盤でキープ。セルビアは中盤を狭めようと最終ラインを高く保つ。その瞬間、2列目からMFパウリーニョが全速力でセルビアの最終ラインの裏を目指して走った。タイミングを逃さずコウチーニョがロングパス。GKが飛び出すが、ペナルティーエリアに入ったところでパウリーニョが右足を伸ばしてボールに触れ、無人のゴールに流し込んだ。
後半10分すぎからセルビアが猛攻をかけると、チチ監督は攻撃面で見事なプレーを見せていたパウリーニョを同21分にあっさり交代させ、守備に強いMFフェルナンジーニョを投入、試合を落ち着かせる。勝負を決定づけるブラジルの2点目がCKから決まったのは、その2分後だった。
もちろんブラジルのプレーの質は高かった。だがそれ以前の勝因として、セルビアのフィジカルな戦いからまったく逃げなかったことが大きい。「戦うブラジル」の強さを見た思いがした。 (モスクワ・大住良之=サッカージャーナリスト)

