6月28日

西野ジャパン、16強へ走り勝つ! 山口、武藤、槙野を先発起用へ

ポーランド戦に向けて調整する大迫(左)。右は西野監督=ボルゴグラードで(岩本旭人撮影)

写真

 【ボルゴグラード(ロシア)本紙取材団】1次リーグ(L)H組の日本は28日、当地での1次L最終戦でポーランドと対戦する。勝つか引き分けるかで2大会ぶり3度目の16強による決勝トーナメント(T)進出が決まる。西野朗監督(63)は27日、前日会見に出席。1、2戦目は同じ先発メンバーで臨んだが、「走り勝つ」サッカー継続のため、ポーランド戦では疲労が見えるベテランのMF長谷部誠(34)=アイントラハト・フランクフルト=ら一部選手を入れ替えて臨むことが確実となった。一方、今後の快進撃次第だが、西野監督が“時の人”として、年末のNHK紅白歌合戦にゲスト審査員として呼ばれる可能性も浮上した。

 西野監督は会見場の階段でつまずきかけたが持ち直し、無事に席に着いた。今大会3試合目にして他人の手も借りず、初めて同時通訳用のイヤホンを自ら耳にかけた。“成長”を見せた指揮官が掲げたのはまず、「予想以上に湿気があるので、ボールを有効に走らせたい。ボールは疲れを知らないので」と暑さとの戦いに勝つことだった。

 過去2戦で先発メンバーを固定して臨んだ指揮官が動く。日本の生命線は走行距離。相手よりも多く走る。(1)初戦は日本101キロに対し、コロンビア93キロ(2)第2戦は日本105キロ、セネガル102キロ。チームとしての走行距離で相手を3〜8キロ上回った。西野ジャパンの肝は運動量、走り負けない−だ。

写真

 2戦とも走行距離トップの長友は「自分たちは弱い。まずは相手より多く走ること。その上で(局面、局面で)経験が生かされる」と力説する。関係者によると、ポーランド戦でも路線継続で、これまでの激戦で消耗の激しい右MF原口、フィールドプレーヤーでは最年長34歳の長谷部については決勝トーナメント進出後もにらみ、選手を入れ替えて臨む案も浮上しているという。

 右MFには原口と同タイプで、攻守に豊富な運動量を誇る武藤、長谷部の代わりには、的確な読みと反応の早さで、相手のパスカットを得意とする山口が入る見込み。山口は初戦の終盤に途中出場しただけ、武藤は2戦とも出場機会なしで、余力十分だ。西野監督も以前から「長丁場の大会を固定したメンバーで戦えるとは思っていない」とマイナーチェンジを示唆していた。

 西野ジャパンが予想外の快進撃を続ける中、指揮官が師走の大舞台にも立つ可能性が出てきた。決勝T進出、史上初のベスト8を達成すれば「紅白歌合戦」のゲスト審査員に選出される可能性も浮上する。NHK関係者も「決勝トーナメントや、8強まで行けば候補にはなるかもしれない」と語った。

 男子サッカー界からの紅白歌合戦ゲスト審査員選出は2002年のDF宮本恒靖(当時G大阪)が最後。W杯で日本が初めて16強入りしたときの主将だ。W杯イヤーは冬季五輪と重なるため、2度目の16強入りとなった10年はサッカー界からは誰も呼ばれず、バンクーバー五輪で銅メダルを獲得した、フィギュアスケート男子の高橋大輔さんが審査員を務めた。1次リーグ突破を懸けたポーランド戦。「他会場を気にしたくないし、選手にも伝えない。デリケートな3戦目。ベンチワークも重要になる」。西野監督が振るタクトに注目しているのはサッカー関係者だけではない。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

速報
ピックアップ
コラム・評論

Search | 検索