6月26日

最後の最後 技あり弾 スペイン、ポルトガル突破

スペイン−モロッコ 試合終了間際、同点ゴールを決めるスペインのアスパス(中)。当初はオフサイドと判定されたが、VARで認められた=カリーニングラードで(AP・共同)

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 【ロシアW杯本社取材団】ワールドカップ(W杯)第12日は25日、カリーニングラードなどで行われ、1次リーグB組はスペインがモロッコと2−2で引き分け、勝ち点5の同組1位で優勝した2010年大会以来の突破を決めた。ポルトガルはイランと1−1で引き分けて勝ち点を5に伸ばし、総得点差の2位で2大会ぶりの16強入り。エースのロナルドはPKを止められ、3試合連続ゴールはならなかった。

 A組はウルグアイがスアレス、カバニの得点などで開催国ロシアを3−0で下し、3連勝で1位通過した。ロシアは同6の2位で決勝トーナメントに進む。敗退決定チーム同士の対戦となったサウジアラビア−エジプトは2−1でサウジアラビアが勝った。エジプトのGKハダリがフル出場し、45歳161日でW杯の最年長出場記録を塗り替えた。

 30日開始の決勝トーナメント1回戦の組み合わせはウルグアイ−ポルトガル、スペイン−ロシア。(記録は共同)

◆アスパス魅せた

 土壇場で勝負強さを振り絞った。一昨年の欧州選手権でイタリアに敗れて以来、実に22試合ぶりの黒星が目前に迫っていたスペインが、終了間際に同点ゴール。B組を辛くも首位通過し、イエロ監督は「ポジティブに考える必要がある」と努めて前向きに話した。

 ボール保持率で69%と圧倒するもリズムに乗れない。前半14分に連係ミスから失点。5分後にイスコのゴールで追いついたが、後半36分に緩慢な守備によって与えたCKからリードを奪われた。

 ファウルも辞さないモロッコの激しい当たりにいら立ちを募らせたが、最後に集中力を発揮する。歴戦の経験に裏打ちされた勝負勘と抜群の技術を結集させたワンプレーでゴールをこじ開けた。

 後半ロスタイムの右CK。必死にマークを確認する相手を横目に短くつなぐと、カルバハルが素早く低い弾道のクロスを入れる。ゴール前のアスパスが右足に当て、左足の後ろを通す技ありシュート。主審はオフサイドと判定したが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によって覆り、得点が認められた。

 1次リーグで敗退した前回大会の失態を繰り返さなかったことで、重圧は少し軽減するだろう。指揮官は胸をなで下ろしつつ「最終目標に達するため、われわれは自らに厳しい要求を課す必要がある」と気を引き締め直した。 (カリーニングラード・共同)

中日新聞 東京新聞

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