6月26日

セクシー乾、同点弾&同点アシスト 格好良すぎ

前半34分、同点ゴールを決める乾(岩本旭人撮影)

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 カーブをかけた低い弾道のシュートが、狙い通りゴール右隅に決まると、乾は跳びはねてガッツポーズ。初戦のコロンビア戦(19日)では不発。期待を裏切っていただけに、「(結果が出てなくても)続けて使ってくれた監督の期待に応えたかったし、チームの役に立ちたかった」。感情を爆発させ、駆け寄ってきた仲間と抱き合った。

 0−1で迎えた前半34分。自陣右サイドから敵陣左サイド深くに柴崎のロングパスが飛ぶ。長友が駆け上がり、相手DF2人に挟まれながらも必死に収め、中へ入ってきたところで、入れ替わるようにボールを受けた。「(左から逆サイドを狙う)得意のコース。思い切って打った結果」。細かいステップで相手のマークを外し、右足を小さく鋭く振った。

 「まさか自分がこのピッチに立てるとは思っていなかったから」。30歳でようやくたどり着いたW杯という大舞台で得点した13人目の日本人選手として歴史に名を刻み、自然と声も弾んだ。

 セクシーフットボールと言われた野洲高(滋賀)で2年時に全国選手権制覇、ハリルホジッチ前監督が「日本のマラドーナ」と称したドリブラーも、プロとしてのキャリアをスタートさせたJ1横浜Mなどでは出場機会に恵まれないなど、何度か挫折を味わった。サッカー人生が好転したのは、夢だったスペイン1部のエイバルに移籍した2015年から。常時試合に出続け、強豪バルセロナ相手に1試合2得点を記録するなど、欠かせない存在に。同リーグで成功したといえる初の日本人選手となり、W杯への道も切り開いた。

 1−2の後半33分には大迫の右からの浮き球パスが左に流れたのをゴールライン際まで追って、「誰かが詰めてくれれば…」と折り返し、本田の同点弾をアシストしてみせた。

 「先制されて追いつき、勝ち越されてもまた追いつけたところはチームとして成長していると思う」。パラグアイ戦(12日・インスブルック)で西野体制での初ゴールを記録した“持っている”男。体重59キロは今大会に出場している全選手の中で最軽量の背番号14が大事な一戦で大きな仕事をやってのけた。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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