6月26日

またも本田投入で即結果 西野監督マジック

試合終了間際、選手に指示を出す西野監督(岩本旭人撮影)

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 大仕事を終えた後のおとぼけぶりが日本の指揮官の“お約束”になってきた。セネガル戦後の記者会見。西野監督はまたも同時通訳機のヘッドホンを耳に装着できず、広報担当者にSOS。「本当に(着け方が)分からないんだよ」。ただ、簡単な身の回りのことではまごついても、強敵に対抗する術は知っていた。

 試合前のミーティングで声を張り上げた。長友によれば、「西野さんは『強気でいこうよ。引いて戦うことは簡単かもしれない。でも、日本らしく、前でボールを保持しながら。ボールを失ったら、みんなで取りにいけばいい』って。この言葉で勇気づけられた」。チームの士気は一気に高まった。

 試合後、外国人記者が吉田に驚きを語っている。「多くの人はセネガルの強力な攻撃に対し、日本がもっと守備的に戦うと思っていた」。日本の勇敢な戦いに、セネガルのシセ監督も「前に進もうとしたが、日本の技術力が高く、セネガルらしいプレーができなかった」。想定外の苦戦を強いられた。

 3枚の交代カード全てを攻撃的選手投入で使った。1点を追う後半に立て続けに投入した本田と岡崎はすぐに得点に絡む。当事者の岡崎も「最初のコンビネーションプレーで得点までいった」と驚く、即効性のある妙薬となった。

 「オフェンシブなメッセージを最後まで(選手に伝えた)」。最後に送り出したのも乾に代えて宇佐美。もう「守備的で将来性がない」とは言わせない。22年前のアトランタ五輪後に日本協会から下った「C評価」を機に、攻撃的サッカーに舵を切った指揮官の真骨頂だった。 (垣見洋樹)

中スポ 東京中日スポーツ

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