6月26日

「攻めろ」はまった交代策 ゴール前の決定機で甘さ 課題

後半、決定機でゴールを決められず悔しがる大迫=岩本旭人撮影

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 2度のリードを許しながら、追い付く好試合を演じたがゆえに、試合後のチームにはかすかな悔いも残る。「みんなの中には勝ち点3を取れたという感覚がある」と主将の長谷部。1次リーグ最後のポーランド戦は、引き分けでも自力で決勝トーナメント進出を決められるが、勝ち切る強さが求められる。

 1−1で迎えた後半に、日本は2度の決定機を逃した。1度目は16分、柴崎の右からの鋭い折り返しを大迫が合わせきれなかった。19分には、乾が左からペナルティーエリアに進入しシュートを放ったが、クロスバーをたたいた。

 西野監督は試合を通じて、攻撃へのメッセージを送り続けた。途中投入した本田、岡崎、宇佐美はいずれも前線の選手。「抑えの選手を投入する選択肢もあったが、追いついて引き離したい思いがあった」と勝ち点3を狙う選手交代だったと説明した。

 2度の決定機を逃した後、セネガルに勝ち越しゴールを許した。決めるべき場面に得点できなければ、流れを相手に渡してしまうのがサッカーの常。ここぞの場面でのフィニッシュの甘さが顔をのぞかせるのは、長く日本の克服すべき課題とされてきた。

 乾は「1点では満足していない。2点目を取れるチャンスを決められず、チームに迷惑をかけた」と反省を口にする。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングではH組の最上位である8位のポーランドは1次リーグ敗退が決まり、重圧のない状態で日本戦に臨んでくる。好機を確実に仕留められないと、痛い目に遭う危険性もある。(浅井俊典)

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◆突破率85%

 32チームで争われる現行方式になった1998年フランス大会から前回大会まで、1次リーグの第2戦を終えて勝ち点4のケースは33あり、その中で決勝トーナメントに進めなかったのはわずか5度だけだ。突破率は約85%で、同じ状況の日本にとって心強い数字となっている。

 敗退したのはいずれも最終戦で敗れた場合で、2002年の南アフリカ、コスタリカ、カメルーン、06年の韓国、10年のスロベニア。南アフリカ、コスタリカは勝ち点で2位と並びながら、それぞれ総得点、得失点差で涙をのんだ。

 一方、第3戦で勝ち点を伸ばせなくても、16強入りしたケースが7度ある。98年のデンマーク、02年と14年の米国、06年と10年のメキシコ、10年のガーナ、14年のナイジェリアだ。10年のメキシコとガーナ、14年の米国はいずれも得失点差で上回った。

 日本は02年の日韓大会で、初戦ベルギーと引き分け、2戦目でロシアに勝って1勝1分けの勝ち点4を経験している。この時は最終戦でチュニジアに2−0で快勝し、H組1位で初の16強入りを果たした。 (共同)

中日新聞 東京新聞

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