6月25日
乾も躍動 1ゴール1アシスト
前半34分、同点ゴールを決める乾=岩本旭人撮影 |
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これ以上ない大舞台で輝いた。乾が2度のビハインドを追い付く1得点1アシスト。1次リーグ突破に向けた貴重な勝ち点1をもぎとり、「ここで(突破を)決めたかったが、負けなかったことはプラスに考えていい」と満足感を漂わせた。
0−1の前半34分。柴崎が左サイドを飛び出した長友を狙ってロングパス。長友のトラップしたボールが、中央に走り込んだ乾の足元へ。スルーも考えたというが、ボールを拾うと瞬時に狙いを定め、右足で鮮やかにゴール右隅へ。「思い切り打った結果。チャンスがあれば打たないと」。後半33分には左の深い位置から「だれかが詰めてくれれば」と折り返し、本田の同点弾をもたらした。
緩急を付けたドリブルを武器にスペイン1部リーグで存在感を示すも、ハリルホジッチ前監督時代の代表ではW杯を控えた3月のベルギー遠征で選外に。決定力不足が理由だった。「決定力がないのはサッカー人生でずっと言われてきたこと」。批判にも努力を怠らず、「最近は自信を持ってシュートを打てている」と胸を張る。
試合中、ベンチから戦況を見つめていた本田らが左サイドにボールを集めるよう声を張ったこともあり、味方からのボールが増えたことも功を奏した。「みんなが意識的に左を使うようになってくれた」。30歳で迎えた自身初のW杯。仲間のサポートにも助けられた身長169センチの小兵が躍動した。 (対比地貴浩)

