6月23日

本田、3大会連続でアフリカキラー 「弱点」の集中力切れる瞬間に決める

セネガル戦に向けて調整する本田=カザンで(岩本旭人撮影)

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 【カザン(ロシア)本紙取材団】日本代表は22日、1次リーグ第2戦・セネガル戦(日本時間25日0時開始)に向け、当地で約2時間の練習をした後、セネガル戦会場があるエカテリンブルクに空路移動した。MF本田圭佑(32)=パチューカ=は2010年W杯南ア大会でカメルーン、14年W杯ブラジル大会ではコートジボワールから得点した“アフリカキラー”。次戦も途中出場が確実だが、その「弱点」を熟知する本田が3大会連続、日本のW杯史上最年長弾で日本を16強入りへ前進させる。

 スパイクを履いた本田が軽快に動いた。2日連続で別メニュー調整、ボールにもほとんど触れなかったが、この日は全体練習に合流。戦術練習では控え組に入ったようだが、アフリカキラーの眼光は獲物を狙う猛禽(もうきん)類のように鋭く光った。狙いは集中力が切れる瞬間だ。

 「今のところ、アフリカ勢のほとんどのチームが解決できていない弱点の一つであることは間違いない」

 アフリカ勢はセットプレーやクロスに対してボールだけを見る傾向がある。そんな悪癖を見逃さない。相手との駆け引きが大好物の男にとっては、格好の獲物だ。過去2大会はカメルーン、コートジボワールから得点。通算でもアフリカ勢から11戦7発。抜群の相性を誇る。セネガルも“本田コレクション”に加えるつもりだ。

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 西野監督は「経験」を重視したメンバー選考をした。身体能力で上回る相手に対抗できるだけの体の強さも持つ本田は切り札になりうる。別メニュー調整中も走り込みを欠かさなかった。3大会目のベテランは「ここからどうコンディションを上げていくかが重要。あと1勝する気持ちを最低でも持たないといけないし。セネガルで決めるという思いも持たないといけない」と言い切った。

 1次リーグ突破決定が3戦目まで長引けば「消耗する」。10年W杯南アフリカ大会は3戦目のデンマーク戦で突破を決めたが、決勝トーナメント1回戦のパラグアイ戦はPK戦の末に敗れた。「ベスト8を懸けた戦いが、ものすごく消耗した状態で挑んだ経験がある」。日本史上初となる8強入りを見据えた場合、連勝で早々と決めることが必要というわけだ。

 日本代表のW杯最年長弾は30歳。1998年フランス大会の中山、02年日韓大会の森島、10年南アフリカ大会の遠藤の3人。32歳の本田が決めれば記録更新となる。コロンビア戦(19日)でアシストはしたものの「そんな大したことない。どっちかっつうたら、1本目のシュートをダフった方が悔しい」と語った。渇望するのはゴール。アフリカキラーが「結果にコミット(約束)」し、日本を3度目の1次リーグ突破へと導く。 (占部哲也)

カメルーン戦の前半、決勝ゴールを決める本田(18)=2010年6月14日、南アフリカ・ブルームフォンテーンで(河口貞史撮影)

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◆VTR・10年南ア大会1次リーグ初戦・カメルーン戦(6月14日・ブルームフォンテーン)

 日本は前半39分、右サイドからの松井(グルノーブル)のクロスを本田(CSKAモスクワ)がゴール前で受け、左足で押し込んで先制。追加点は奪えなかったが、中沢(横浜M)闘莉王(名古屋)を中心とする堅守でカメルーンの反撃をしのぎ、競り勝った。

コートジボワール戦で先制ゴールを決めた本田=2014年6月14日、ブラジル・レシフェで(共同)

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 ◆VTR・14年ブラジル大会1次リーグ初戦・コートジボワール(6月14日・レシフェ)

 前半16分、左サイドの長友(インテル・ミラノ)からのグラウンダーパスを本田(ACミラン)は右足トラップでボールを前に出し、相手をかわすと、左足を一閃(いっせん)。ゴール左隅上を打ち抜いた。後半に入ってからの2失点で試合には逆転負けした。

中スポ 東京中日スポーツ

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