6月22日

長友&長谷部、走る!おじさんジャパン 走れ!セネガルより長く多く!

セネガル戦に向けて調整する(左から)長友、長谷部、吉田=カザンで(岩本旭人撮影)

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 【カザン(ロシア)本紙取材団】日本代表は21日、ベースキャンプ地の当地で、勝てば16強入りが決まるかもしれない1次リーグ第2戦・セネガル戦(日本時間25日0時開始予定・エカテリンブルク)に向け、本格的な練習を開始した。そんな中、強豪コロンビア相手の「サランスクの奇跡」は、30歳超えのベテラン選手の頑張りによるところが大きい−。そんなデータが明らかになった。20歳前後の若い選手をそろえ、攻撃で爆発的なパワーを発揮するセネガルも、“おじさんパワー”で封じ込める。

◆ベテランの献身

 快晴で気温27度と、初夏を思わせる厳しい気象条件だったコロンビア戦。日本で最も走ったのは、先発したフィールドプレーヤー(FP)で2番目に高齢、31歳の長友で10・745キロ。3番目に走ったのはFP最年長、34歳の長谷部で10・063キロだった。

 香川、大迫ら得点に絡んだ攻撃陣に目を奪われがちだが、攻撃力自慢のコロンビアに対し、大崩れしなかったのは、ベテランの献身があってこそ。長友はJu・クアドラード、長谷部は中盤の底でロドリゲスと相手の中心選手のマークに奔走したが、それを裏付けることになった。

◆的確な状況判断

 脚だけでなく、“頭”でもベテランの貢献度は高い。C・サンチェスの早期退場で1人少ないコロンビアに同点に追いつかれた後のハーフタイム。長谷部はチームメートにこう伝えた。「最悪、引き分けでもいい」

 数的優位でも勝ちきることが難しいのは、前回大会の1次リーグ第2戦で引き分けたギリシャ戦で経験済み。1人多いのに負ければ、精神的なダメージは計り知れない。だから(1)基本はセーフティーに(2)リスクを冒すときは攻める選手の穴を必ず誰かがカバーするなど、ベテラン中心に意思を統一して後半に臨み、勝利を呼び込んだ。

 W杯メンバーが発表された際は、若手の有望株が軒並み選外となり、「ベテラン偏重」「年功序列」「おじさんジャパン」などと批判された。「結果が出なければ、いろいろ言われてもしかたない。ただ、初戦に関しては経験を生かして落ち着いて対応できた」と長谷部は胸を張った。

◆平均年齢3.3歳差

 セネガル戦はベテラン勢には試練となる。初戦・ポーランド戦では19歳のDFワゲ、20歳のFWサルらが先発。先発平均年齢は日本の29・3歳に対して26歳。サルと左サイドで対峙(たいじ)する可能性がある長友は「めちゃくちゃスピードがある。まだ20歳というのにびっくりしている」と警戒する。

 ただ、アフリカ勢はときに組織のほころびを露呈させるなど、付け入る隙は必ずある。長友は個人的に相手の映像を分析し続け、弱点をあぶりだすという。次は相手の穴を見つけるベテランの確かな「目」にも期待が懸かる。 (垣見洋樹)

<セネガルの走行距離1位はMFゲイ、でも長友以下> ポーランド戦(19日)に出場したセネガルの選手で最も多い走行距離を記録したのはMFゲイで10・615キロ。長友をしのぐ選手は1人もいなかった。ただ走ればいい、というものでもないが「走り負けない」は心強いデータの一つだ。

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中スポ 東京中日スポーツ

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