6月21日
スペインこじ開けた ディエゴコスタ3点目
イラン−スペイン 後半9分、ゴールを決めて雄たけびを上げるスペインのディエゴコスタ=カザンで(岩本旭人撮影) |
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スペインの序盤戦の顔はイニエスタ、シルバ、イスコで構成する黄金の中盤ではなく、最前線に構える身長185センチの武骨な男。守備的なイランに苦戦したチームを、FWディエゴコスタが救った。2戦連続となる得点を挙げてチームは今大会初勝利。「タフな試合でゴールできてうれしい」と笑みを浮かべる。
前半はDFラインに6人もの選手を並べて守りを固めるアジアの雄イランを相手に攻めあぐねた。6割以上のボール支配率を記録しながら、水際でことごとくはね返される。統制のとれたイランの守備の堅さばかりが際立った。
均衡を破ったのは後半9分、ドリブル突破のイニエスタからゴール前に出されたパスに反応。イランDFのクリアを足に当ててゴールにねじ込んだ。多少の運はあったものの、最も危険なエリアに進入するタイミング、位置取りがあったからこそできた芸当で、世界の一流ストライカーに共通する嗅覚の鋭さを備える証拠といえる。
これでポルトガルのロナルドに次ぐ大会3得点。チームも勝ち点を4に積み上げ、初戦で接戦を繰り広げたポルトガルと並んだ。「ディエゴコスタの活躍なしには上位進出は見込めない」とイエロ監督。流麗なサッカーの仕上げを担うブラジル出身のストライカーが早くも波に乗ってきた。 (カザン・浅井俊典)

