西野J、世界驚かせた 香川先制PKで成長証明
日本−コロンビア 前半6分、PKで先制ゴールを決め、歓喜の表情の香川=サランスクで(共同) |
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【ロシアW杯本社取材団】ワールドカップ(W杯)1次リーグH組の日本は19日、サランスクでの初戦で前回大会8強のコロンビアと対戦し、2−1の勝利で2大会ぶりの1次リーグ突破に向けて白星スタートを飾った。同組のセネガルはポーランドを2−1で下し、勝ち点3で首位の日本に並んだ。
A組は開催国のロシアがエジプトに3−1で勝ち、2連勝で16強入りに大きく前進。エジプトは2連敗となった。
日本は、前回大会で1−4と大敗した相手に前半6分、香川(ドルトムント)がPKで先制。退場者を出した10人のコロンビアに同39分、FKから同点に追い付かれたが、後半28分に大迫(ブレーメン)がCKに頭を合わせて決勝ゴールを決めた。
激闘を制した日本は試合後にチャーター機でベースキャンプ地のカザンに戻った。
日本は24日午後8時(日本時間25日午前0時)から、エカテリンブルクで行われる第2戦でセネガルと対戦する。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは、日本が61位でセネガルが27位。過去の対戦成績は日本の1分け2敗。 (記録は共同)
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耳をつんざくようなコロンビアサポーターのブーイングの中でも落ち着いていた。息を吐き、グラウンダーでゴールほぼ中央へ。先発起用の香川が前半開始早々に右足でPKを決め、日本に貴重な先制点をもたらした。
「キーパーのタイミングを外すことだけを意識していた」。その一振りに精神面の成長が見て取れた。
3年前のアジア・カップ準々決勝アラブ首長国連邦(UAE)戦。PK戦で最後のキッカーを任されたが、左ポストに当てて失敗。ピッチにひざまずき、「申し訳ない」と人目もはばからずに泣いた。
欧州の強豪クラブでプレーし、海外での知名度は抜群。技術も申し分ない。ただ、どこか頼りなさを感じさせる部分がぬぐえなかった。
変化は、昨年8月にアジア最終予選オーストラリア戦のピッチに立てなかったころだ。それ以降はけがもあって招集外が続いたが、W杯への思いを公然と口にしてはばからず、代表の欧州遠征には自発的に観戦に駆け付けた。西野監督の就任で復帰すると、より責任感が増していた。
イングランド・プレミアリーグの強豪マンチェスター・ユナイテッドでの挫折など、2014年ブラジル大会後、もがき続けた4年間。「この1勝だけじゃない。まずは1次リーグを突破すること」。W杯での初得点で、浮上のきっかけをつかんだのではないか。 (サランスク・浅井俊典)

