柴崎、中盤で見事なタクト スタイル貫き勝利に貢献
後半、ドリブルする柴崎(岩本旭人撮影) |
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日本の新司令塔が、W杯の大舞台に初めて足を踏み入れた。柴崎は、かつて中田英や、遠藤保らが背負った背番号7をつけ、日本の中盤でタクトを振るった。
「初のW杯なので、自分の今の力をしっかりと出したい。なるべくボールを失わず、僕のところで受けて組み立てようと思った」
そう語る柴崎は、同じ1992年生まれの宇佐美、昌子らとともに「プラチナ世代」と呼ばれ、早くから将来を嘱望されてきた。だが、26歳で迎えた今回のW杯が、プラチナ世代たちにとって初のW杯になった。
昨年からスペイン2部のテネリフェへと移籍。昨夏からは同1部ヘタフェへと加入すると、レアル・マドリードや、バルセロナからゴール奪うなど、さらなる研さんを積んで、ロシアの地にたどり着いた。
「ここで勝つと負けるのとでは、日本サッカーにとっても、僕のサッカー人生にとっても大きく変わってくる。それほど大きな大会なんだという自覚はしている」
新司令塔はこの日、長年、本田が代名詞となっていた日本のプレースキッカーも務めた。後半14分のセットプレーでは、右サイドから正確なクロスを上げて吉田の頭に合わせた。吉田のヘディングシュートは、惜しくも枠を捉えることはできなかったが、決定機もつくり出した。
どんな相手でも、顔色を変えることなく冷静に振る舞ってきた。平常心を貫く男は、初の大舞台でも物おじすることなく、冷静にプレーした。「昔から『これが決勝戦だから』というのはない。どんな試合でも同じように臨むという考え方なので。W杯であっても、いつも通りにプレーしたい」。新司令塔は、強豪相手に自らのスタイルを貫き、日本を勝利に導いた。
