6月20日
麻也、強さ見せた 「この瞬間を8年待っていた」
後半、コロンビアのファルカオをマークする吉田(右)=サランスクで(岩本旭人撮影) |
強豪相手に競り勝ち、守備の要、吉田は「この瞬間を(前回のW杯白星から)8年待っていた。一つ目標を達成したけど、日本はもっとできるんだぞ、というのを世界に見せたい」。そう話す顔に充実感が漂った。
初夏を思わせる暑さの中、全身から汗を噴き出しながら、頭だけはクールにフル回転させた。ファルカオから目を離さず、日本の守備ラインを上下左右に統率。10人になったコロンビアは反撃に出てきたが、落ち着いてはね返した。
「いくら準備をしても想定外のことは起こる。そうなったとき1秒でも、ワンプレーでも早く状況を修正できるよう臨機応変さが求められる」
コロンビアが早々に退場者を出すとは、うれしい「想定外」。油断は禁物と、吉田は声を張り続けた。前線の選手たちが前からボールを追えば、ハーフウエーラインの5メートルほど手前までラインを上げ陣形をコンパクトに保った。コロンビアの先発にロドリゲスはいなかったがその戦い方は完璧に頭に入っていた。
日本が16強入りした8年前の南アフリカ大会は、長崎の実家で家族や友人たちと観戦。W杯は遠かったが、2012年にサウサンプトン(イングランド)へ移籍。4年前のブラジル大会は全3戦にフル出場した。今大会の予選は、日本代表の中で唯一人、18戦全戦に出場した。
「W杯に出場するために来たのではない。勝つためにきた。これまでプレミアリーグで積み上げてきたものを出し切る」
その言葉通り、最終ラインでコロンビアの前に立ちはだかった。