6月20日

日本、劇的幕開け コロンビア破る

日本−コロンビア 後半、勝ち越しゴールを決めた大迫(右)を迎える西野監督(右から2人目)ら=19日、サランスクで(共同)

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 【サランスク=ロシアW杯本社取材団】サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で一次リーグH組の日本は十九日、当地でコロンビアとの初戦に臨み、2−1で破る金星を挙げた。W杯でアジア勢が南米のチームに勝つのは初めて。

 前半早々に香川真司のPKで先制。その後、追い付かれたが、後半に入り、CKを大迫勇也が頭で決めて決勝点を奪った。

 二〇一四年の前回ブラジル大会の一次リーグ最終戦でも対戦し、1−4と大敗した相手。国際サッカー連盟(FIFA)ランキング六十一位の日本に対し、同十六位のコロンビアに四年ぶりの再戦で雪辱を果たし、貴重な勝ち点3を獲得した。日本のW杯勝利は、一〇年南アフリカ大会一次リーグのデンマーク戦以来二大会ぶりとなった。日本は一次リーグ突破へ向け好スタートを切った。

 日本は今後、二十四日午後八時(日本時間二十五日午前零時)からエカテリンブルクでセネガル、二十八日午後五時(同十一時)からはボルゴグラードでポーランドとそれぞれ対戦する。

◆西野監督「タフに戦った」

 激闘を制した選手たちが試合終了と同時に雄たけびを上げた。サランスクの空に両拳を突き上げた日本代表の西野朗監督は、自身のW杯初勝利にも「選手がタフに戦ってくれた結果」と選手たちをたたえた。

 ハリルホジッチ前監督が四月、電撃解任されたのを受け、代表チームを統括する日本サッカー協会の技術委員長から現場指揮官に就任した。自ら招いた異例の事態にもチーム再建で責任を果たすと覚悟を決めた。準備期間はわずか二カ月間。西野監督は選手のコンディションに配慮しつつ、初戦のコロンビア戦へ向けた対策だけに注力してきた。大会直前の強化試合三戦は全て「南米の雄」を想定して戦い方を探り、本番で見事に撃破した。

 一九九八年、日本がW杯に初出場して以来、これほど足元の定まらなかった四年間はない。過去の八百長疑惑でアギーレ元監督が去り、ハリルホジッチ氏も本大会を目前にして解任された。監督が代わるたび、目指すサッカーも変わった。

 それでも、西野監督は「日本の良さであるグループの力、連動」を体現できるメンバーに初戦を委ねた。チームは曲折を経たが、海外の主要リーグなどで活躍する選手たちは、自らの経験と自信を胸に強豪と渡り合い、日本の意地を示した。「最高の化学反応が起こるチームをつくりたい」。指揮官の言葉の一端が垣間見える勝利だった。 (サランスク・浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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