6月20日

日本、雪辱の初陣 コロンビアから金星

前半、コロンビアのファルカオ(9)をマークする吉田(22)、昌子(左から2人目)、酒井宏(右)=サランスク(共同)

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 【サランスク=ロシアW杯本社取材団】1次リーグH組の日本は第6日の19日、当地で初戦に臨み、前回8強のコロンビアを2−1で破った。前回大会で1−4で完敗した相手から貴重な勝ち点3をつかみ、好スタートを切った。

 日本は試合開始早々の前半6分、香川の決定的なシュートにコロンビアのC・サンチェスがペナルティーエリア内でハンドを犯したことによるPKを獲得。香川が右足で落ち着いて決めて待望の先制点を奪った。C・サンチェスは退場となり、日本は1人多い状況で優位に試合を進めた。

 前半39分にFKで追いつかれたが、後半28分、途中出場の本田が蹴った左CKに大迫が頭で合わせ、勝ち越した。終盤はコロンビアの攻勢にさらされたが逃げ切った。

 W杯でアジア勢が南米のチームに勝つのは初めて。国際サッカー連盟(FIFA)ランキング61位の日本に対し、コロンビアは同16位。過去の対戦成績で日本は1分け2敗だったが、4度目の対戦で初勝利を挙げた。6大会連続出場で、2010年南アフリカ大会以来2大会ぶりとなる決勝トーナメント進出を目指す日本は、24日にセネガルとの第2戦を戦う。

 H組のもう1試合はセネガルが1−0でポーランドをリードして前半を折り返した。

◆同点にされてもベテラン勢、焦らず

 夏を思わせる暑さのあるサランスクで、青い侍が躍った。4年前、完膚なきまでにたたきのめされたコロンビア相手にピッチ上の11人が最後まで闘志をむき出しに戦い、見事に雪辱。最高のスタートを切り西野監督は「みんなが体を張ってくれた。いい結果を得ることができて本当に良かった」とうなずいた。

 前半3分、香川のシュートを右腕で阻んだC・サンチェスが退場し、PKも獲得。背番号10は「冷静に蹴ることができた」としっかり決めた。だが前半39分、直接FKを壁の下に通され、同点ゴールを許した。10人の相手に1−1。「早い段階で相手が退場となり、難しい試合だった」と長谷部が言う嫌な雰囲気の中、経験豊富な選手は焦らなかった。

 後半28分、勝ち越した後が、このチームの真骨頂だ。長谷部らが周りに声をかけて集中するよう促し、本田を中心にボールを回して試合をコントロール。後半途中からコロンビアのエース、ロドリゲスが出てきて競技場の雰囲気は一変したが、ドログバの出場で慌てた前回大会のコートジボワール戦の轍(てつ)は踏まなかった。

 先発平均年齢は29・3歳。「年功序列ジャパン」と批判される実績重視の顔触れに、西野監督は最大の信頼を寄せた。最初のミーティングで「俺は世界を知らない。みんなの意見を聞かせてくれ」と正直に打ち明け、選手との対話を密にした。映像を見ながら毎夜話し合い、選手だけのミーティングもあった。17日には全員が大会への決意をぶつけ合って臨んだ。

 日本サッカー協会の田嶋会長はハリルホジッチ前監督の解任に際し「勝つ可能性を数パーセントでも上げたい」と言った。勝つ確率は、目には見えない。ただ、ベンチを気にして恐る恐る戦うチームではなくなった。ロシアのピッチで堂々と強豪に挑んだ集団が、大きな花を咲かせた。 (サランスク・共同)

◆柴崎がよくゲームメーク

<西野朗・日本代表監督の話> 選手がタフに戦ってくれた結果。ボールを持てる中でゴールを目指す中盤の構成を考えた。柴崎あたりはよくゲームメークしてくれた。(セネガル戦のことは)今はまだ考えられない。 (共同)

◆3分で重要な選手失った

<ペケルマン・コロンビア代表監督の話> 最初の3分で重要な選手を失った。前半に追い付いたが、後半に日本は自分たちのスタイルでプレーし、チャンスをつかんだ。ハメス(ロドリゲス)やバッカを投入したが、日本の1人多い守備では難しかった。 (共同)

中日新聞 東京新聞

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