6月20日

香川冷静 先制PK 相手ハンド誘った豪快シュート

 ついにこの時がやってきた。香川が試合開始直後に訪れたPKを決め、W杯初ゴールを記録。前回大会ではノーゴールの屈辱にまみれた背番号10は、ここまでの4年を「自分自身を信じて、最高の準備をしてきた」。先制のゴールネットを揺らした直後、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすように、日本のサポーターが待つゴール裏に駆け寄って雄たけびを上げた。

 相手サポーターの地鳴りのような激しいブーイングを前にしても、心は乱れなかった。小刻みに足踏みしながら助走し、左に跳ぼうとするGKの動きを見極めて右足内側でゴール中央に流し込んだ。試合前日、「やるべきことはやってきた。慌てずやるだけ」と語っていた通り、大舞台でも冷静だった。

 PKを得たのも香川だった。自陣からのロングパスで、相手守備陣の背後に抜け出した大迫がシュート。そのこぼれ球を直接蹴り込み、相手DFのハンドを誘った。攻撃の中心となり、チャンスでは2列目から飛び出すプレーで先制のチャンスを演出した。

 ハリルホジッチ前監督時代は得意のゲームメークを必要とされず、冷遇された。だが後を継いだ西野監督が就任すると攻撃の中心を担うトップ下に起用。当初は控え組ながら、W杯前最後の強化試合だった12日のパラグアイ戦で勝利に貢献して評価を上げた。

 前回W杯では大黒柱として期待されながら、1次リーグ3試合で無得点。コロンビアには1−4で大敗した。再び相まみえた因縁の相手から、過去を清算するゴールを仕留めた。「たくさんの人に支えられた感謝を表現する場はピッチ。その準備は整った」。役割をしっかりと果たし、後半途中、本田に代わった。 (サランスク・対比地貴浩)

中日新聞 東京新聞

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