6月18日

王者 はめられた術中 ドイツ、メキシコに0−1

 【ロシアW杯本社取材団】ワールドカップ(W杯)ロシア大会第4日は17日、モスクワなどで1次リーグが行われ、大会連覇を狙うF組のドイツはメキシコに0−1で敗れた。前回覇者の初戦黒星は、2014年ブラジル大会のスペインに続いて2大会連続。メキシコは前半35分にロサノが先制点。相手の後半の猛攻をしのぎ切り、W杯でドイツから初勝利を挙げた。

 E組のブラジルは、世界ランキング6位のスイスと1−1で引き分けた。ブラジルは前半20分にコウチーニョのミドルシュートで先制したが、スイスが後半5分に追い付いた。セルビアは後半11分にコラロフがFKを直接入れ、コスタリカに1−0で勝った。E組はセルビアが勝ち点3で首位。 (記録は共同)

 王者の風格はどこへ。ドイツは猛攻に出るもゴールが遠く、逆襲で何度もピンチにさらされた。昨年までは盤石に見えた連覇への戦いが厳しい幕開けとなり、レーウ監督は「本当に残念だ。前半はひどかった。いつものわれわれではなかった」と落胆を隠せなかった。

 攻撃に人数をかけるあまりに守備の備えがおろそかで、序盤からメキシコに自陣を切り裂かれた。主将のGKノイアーが最後尾から声を張り上げて活を入れるが、らしからぬ隙の多さを修正できない。とうとう前半35分に先制点を奪われた。

 この1点が重くのしかかる。後半途中からはロイスやゴメスを入れて攻めに厚みを持たせ、シュート25本、そのうち枠内9本といずれもメキシコの2倍以上に達したが、崩しきれなかった。終了間際のブラントのシュートがゴール左にわずかに外れると、レーウ監督は両手で顔を覆った。

 昨年のコンフェデレーションズカップを若手中心で制し、欧州予選は10戦全勝。だが予選後の強化試合は3分けからの2連敗と牙城が揺らいだ。本番に入っても悪い流れを断ち切れず、クロースは「大きな重圧がかかる。残り2勝しなくては」と危機感をあらわにした。

 2006年大会優勝のイタリアも10年大会覇者のスペインも、それぞれ4年後は1次リーグ初戦に勝てず、敗退に追い込まれている。同じ轍(てつ)を踏みたくないレーウ監督は「パニックになる必要はない」と第2戦以降へ向け平静を装った。 (モスクワ・共同)

中日新聞 東京新聞

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