6月18日

<オンサイド>アイスランド、猛攻耐えた芸術的陣形

アルゼンチン―アイスランド 引き分けに終わり、肩を落とすアルゼンチンのメッシ=モスクワで(共同)

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 アイスランドの「W杯デビュー」は鮮烈だった。天才メッシを擁する前回ブラジル大会準優勝のアルゼンチンに「自分たちのサッカー」で立ち向かい、見事に勝ち点1を奪い取ったのだ。

 単純に「守備を固めてカウンター」などと言ってはいけない。ハルグリムソン監督は試合後、「私も選手たちも、どうすれば自分たちの力を生かし切って勝ち点につながるか知っている」と自信の表情を見せた。4−4−2の形に並んだフィールドの10人が、その形も距離も大きくは崩さずに上下する。

 対するアルゼンチンはボール保持率が70%以上となっても、その個人技はアイスランドの組織的な守備網に次々に吸い込まれた。アイスランドは自陣で待ち構えながら反則しないで網を絞り込む。メッシらを止め続けたその守備は芸術的でもあった。

 本職は歯科医師だというハルグリムソン監督は「全員が素晴らしい組織をつくり、ハードワークを見せてくれた。早く同点に追いつけたので、落ち着いてプラン通りの試合にできた」と胸を張った。

 8強入りした2016年の欧州選手権ですっかり有名になった青一色のサポーターとともに、優勝したかのように喜ぶ選手たち。アイスランドのサッカー史に刻まれた「歴史的試合」となった。 (モスクワ・大住良之=サッカージャーナリスト)

中日新聞 東京新聞

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