6月18日

<蹴大成>乾が30歳W杯デビューへ あすコロンビア戦

コロンビア戦に向けて調整する乾=カザンで(岩本旭人撮影)

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 【カザン(ロシア)本紙取材団】日本代表は17日、W杯ロシア大会のベースキャンプ地である当地で1次リーグ初戦・コロンビア戦(19日)に向けて最終調整した後、試合会場のサランスクへ出発した。パラグアイ戦(12日)で2ゴールと気を吐いた乾貴士(30)=ベティス=は左MFでの先発が確実で、2戦連発の期待がかかる。30歳でW杯デビューした日本代表アタッカーは過去2人ともゴールを決めているという好データの後押しも受け、西野ジャパン第1号ゴールを決めた“持ってる”ドリブラーが、コロンビア守備陣を切り裂く。

 取材エリアで乾の笑い声がはじけた。「スパイクをまた履き替える? 今日も練習でシュート外しまくったからね。『(西野監督から)この間の前半のやつ使ってるやろ』って言われて。今日使ったやつは使わないのでと言っておきました」。コロンビア戦への変な重圧も気負いもない。状態の良さを表すように、報道陣との受け答えも立て板に水だった。

 12日のパラグアイ戦前半、決定機を外した。ハーフタイムに指揮官から「スパイクの中に何か入っているだろ」とジョークを飛ばされ、履き替えたシューズで後半2得点。西野ジャパンのラッキーボーイに名乗りを上げた。16日の練習でも西野監督に個別に呼び止められ、話し込んだ。攻撃のキーマンとして、その存在感は日々増している。

 30歳でのW杯デビュー。乾は良く通る声で言う。「今はもう、楽しみでしかたないですね。30になる年で初めてというのは、もしかしたら遅いかもしれませんけど、自分にとっては一番これが早かったんだと思います。出られることにすごく喜びを感じている」。サッカーを始めたばかりの少年のように、全身から「楽しさ」を発散させた。

 サッカーの神様もほほ笑む。30歳でW杯デビューを飾った日本のアタッカーは1998年フランス大会のFW中山、2010年南ア大会のMF遠藤と過去2人いるが、ともに得点している。

 「パラグアイ戦みたいに(香川らとの)良いコンビネーションで中にいったり、外にいったりしてというのを繰り返していけば、チャンスはあると思う。そういうところのイメージははっきりしています」

 ネットを揺らす設計図は完成している。幸運を呼び込むスパイクと30歳デビューという二つのラッキーアイテムもそろった。乾が得意のドリブルでコロンビア守備陣を手玉に取り、日本に歓喜の勝利を呼び込む。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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