6月17日

ポグバ決勝弾 フランス辛勝

 【ロシアW杯本社取材団】第3日の16日は、1次リーグD組で、前回大会準優勝のアルゼンチンが、初出場のアイスランドに1−1で引き分けた。メッシはPKを外すなど、無得点に終わった。

 C組で優勝候補に挙げられるフランスはオーストラリアに2−1で勝利。PKで先制し、追い付かれた後にポグバのゴールで勝ち越した。

 15日の第2日はB組でポルトガルとスペインが3−3で引き分け、イランはモロッコを1−0で下した。A組のウルグアイはエジプトに1−0で勝った。

 母国開催での初優勝から20年。近年続々と新戦力が育ったフランスが、2度目の頂点へ白星発進した。オーストラリアの粘りに苦しんだが、後半36分に25歳の大黒柱ポグバが決勝点を奪い、まずは順調に滑り出した。

 19歳のエムバペを筆頭に生きのいい若手が躍動し、ポグバら実力十分の中堅が居並ぶ。しかし、この日は相手のコンパクトな陣形に手を焼き、攻撃陣の連係が遮断された。エムバペ、デンベレ、グリーズマンの3トップは位置を入れ替えながら、難局を打開しようと試行錯誤した。

 後半13分にPKで先制した直後に追い付かれるもろさをのぞかせた。それでも最後は勝負強さを発揮し、PKを蹴ったグリーズマンは「今日は何より勝利が大切だった」と結果を重視した。

 過去4大会では2度の1次リーグ敗退。ともに初戦で勝てずに勢いをつけられなかった。緊張感を漂わせていたデシャン監督は「とても難しい試合だった。これがW杯だ」と大きく息をついた。

 今大会のチームはジダンやアンリ、ブランら幅広い年代の選手が団結して頂点に駆け上がった「レ・ブルー(フランス代表)」の快挙の再現を期待され、当時の主将だった指揮官も「ハイレベル」と胸を張る。初戦の重圧を乗り越え、ここから本領を発揮できるか。 (カザン・共同)

フランスに敗れ、肩を落とすオーストラリアイレブン=共同

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◆組織で堅守 食い下がった豪

 前回ブラジル大会では、3戦全敗を喫したオーストラリア。組織的な守備でフランスに食い下がったが、貴重な勝ち点1を逃した。ファンマルウェイク監督は「最低でも引き分けが妥当だ」と残念そうに首を振った。

 レッキーらサイドの選手が献身的な動きで細かい守備網を築き、ルーズボールの争いでは相手の前に体をねじ込んだ。だがタレントぞろいの強豪は隙を見逃してくれない。フリーで出されたスルーパスをきっかけにPKを献上。直後に追いついたが、後半36分にはポグバにパス交換で中央を割られて決勝点を許した。

 本大会出場決定後の1月、2010年に母国を準優勝に導いたオランダの指揮官に采配を託した。ボール保持を志向した前任者と異なり、人数をかけてブロックを組む現実的な戦法で、20年ぶりの覇権を狙う優勝候補の一角を慌てさせた。「やりたいことは95パーセントできた」という言葉に悔しさを込めた。 (カザン・共同)

中日新聞 東京新聞

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