6月13日

キャンプ地・カザン歓迎 日本代表 学生がサポーター

日本代表がキャンプに来るロシア・カザン中心部の「バウマン通り」。W杯のマスコットの置物は人気で、市民は試合を待ち望んでいる

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 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会に臨む日本代表は十三日(日本時間十四日)に同国入りし、中部の都市カザンでベースキャンプを張る。日本代表に対する現地の人たちの反応を聞いた。 (カザンで、河北彬光、写真も)

 イスラム文化が根付く人口約百二十万の都市。W杯の試合会場でもあり、観光客の受け入れ準備が着々と進んでいる。飲食店や土産物店が並ぶ中心部の「バウマン通り」には六月に入り、観光案内のドーム型テントが各所に特設された。

 「日本代表が来る? 今初めて知りました」。テントにいた観光ボランティアの大学生アンナ・ミハイロバさん(18)は、周りの同僚と顔を見合わせた。「特需」が期待できる土産物店の従業員やタクシー運転手も「初めて聞いた」。日本代表がキャンプに来ることはまだ浸透していないようだ。

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 ただ、多くの市民はW杯の試合を待ち望んでおり、「W杯で訪れる世界中の人を歓迎します。もちろん、日本の人も待っていますよ」とミハイロバさん。

 地元にあるロシアの日本料理店チェーン「ヤキトリヤ」の副店長アナスタシア・ダイマソワさん(32)も「日本から多くのお客さんが来てくれたら、うれしいわ。W杯の試合も頑張って」とエールを送る。

 盛り上げに一役買おうとしているのが地元のカザン連邦大の学生たち。日系企業への就職を希望する学生も多く、大学の日本語コースでは二百人が学んでいる。語学力を生かし、日本から来るメディアや観光客のために通訳ボランティアをする学生も。カザンの空港に立つ二年のジナラ・ファフルトゥディノワさん(19)は「日本語を練習する良い機会」と流ちょうな日本語で意気込む。

 大学でロシア語を学ぶ日本人留学生たちは、日本から来る人に地元の街を紹介しようと、世界遺産の城塞(じょうさい)「カザン・クレムリン」などを動画に収めて動画投稿サイト「ユーチューブ」で発信している。愛知県小牧市出身の大学四年高峰稜太さん(21)は「カザンは治安が良くて人も優しい。キャンプを機にモスクワ、サンクトペテルブルク以外にもロシアに良い街があることを日本の人たちに知ってほしい」と願った。

<カザン> 重工業が盛んなロシアの主要都市。タタルスタン共和国の首都で、タタール人の街として知られる。日本の1次リーグ3試合があるサランスク、エカテリンブルク、ボルゴグラードのほぼ中間に位置し、日本代表は街の郊外にあるロシア1部リーグ所属クラブ「ルビン・カザン」の練習施設を拠点とする。W杯の試合は地元の「カザン・アリーナ」で6試合が行われる。

中日新聞 東京新聞

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