6月13日

西野J、本番前に初勝利 パラグアイに4−2

日本−パラグアイ 後半、同点ゴールを決める乾=オーストリア・インスブルックで(岩本旭人撮影)

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◇国際親善試合

 【インスブルック(オーストリア)=共同】国際親善試合、日本−パラグアイは12日、オーストリアのインスブルックで行われ、日本は乾(ベティス)の2得点などで4−2と逆転勝ちした。W杯ロシア大会前最後の強化試合を勝利で飾り、西野監督の3戦目で初白星を手にした。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング61位の日本は同32位でW杯出場を逃した相手に対し、前半に先制点を献上。後半は攻撃陣が奮起し、乾が6分、18分にゴールを奪った。3−2の試合終了間際には香川(ドルトムント)が決めた。対戦成績は日本の3勝4分け2敗。日本代表は13日にロシアのキャンプ地となるカザン入り。19日にW杯1次リーグH組初戦でコロンビア代表と対戦する。

 苦しみ続けてきた日本にやっと勝利が生まれた。乾の2ゴールで逆転し4−2。W杯前最後の実戦で、西野監督は「(相手の守備を)崩した中で攻撃できたのはよかった」。試合終了の瞬間、こわばっていた表情を緩めた。

 この日も前半に先制を許した。前線から圧力をかける積極的な守備で試合の入りは悪くなかったが、前半32分に相手のスローインから失点。直前のプレーで昌子が相手FWに競り負け、南米勢との個の違いを見せつけられた。

 意地を見せたのは、西野監督就任後初めて先発を任された乾だ。後半6分、西野体制初得点を決め、18分に逆転弾。「前半、決定機を外していたが、いいサッカーはしていたので、自信を持って後半に入れた。ゴールを決められてよかった」と30歳のドリブラーは相好を崩した。

 西野体制になって日本は2連敗を喫した。それでもW杯までに与えられた強化試合3戦を目いっぱいテストに使うと決めた監督は、8日のスイス戦から先発10人を入れ替えた。この日も結果が出なければ、チームづくりに疑問が噴出しかねない状況だった。

 終了間際にはエース番号10を背負う香川もゴールを決めた。W杯に出場しないパラグアイがどれだけ本気で臨んできたかは疑問の残るところではあるが、生半可な準備では世界と戦えない現実を突きつけられてきた日本にとっては、控え組の奮起で浮上のきっかけをつかみたいところだ。西野監督は「このアグレッシブさをしっかり捉えて、わずかだが、いい準備をしたい」と前を向いた。 (インスブルック・浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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