6月12日

香川、10番の意地 きょうパラグアイ戦

パラグアイ戦に向け調整する香川(右)。左は大迫=オーストリア・ゼーフェルトで(岩本旭人撮影)

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 【インスブルック(オーストリア)=浅井俊典、対比地貴浩】サッカーの日本代表は12日午後3時5分(日本時間午後10時5分)から、当地でパラグアイ代表と対戦する。14日に開幕するワールドカップ(W杯)ロシア大会を前に最後の強化試合となる。

 チームは11日、試合会場で冒頭以外を非公開にして最終調整した。公開された部分では、腰を痛めている大島(川崎)が全体練習に合流せず、別メニューで調整した。

 公式練習に先立って会見した西野監督は、「W杯初戦のコロンビア戦に向けて可能性を求める試合にしたい」と述べた。選手起用については「あまり出場機会のなかったメンバーをテストしたい」と説明。香川(ドルトムント)ら8日のスイス戦に先発しなかったメンバーが中心になりそうだ。

 パラグアイは南米予選7位で本大会出場を逃したが、日本にとっては19日に1次リーグH組初戦で対戦するコロンビアを想定した試合になる。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは日本の61位に対し、パラグアイは32位。過去の対戦成績は日本の2勝4分け2敗。

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 目を覆いたくなるような敗戦を喫したスイス戦の夜、先発にエース背番号10を背負う香川の名前はなかった。与えられた出番は後半終盤からの十数分だけ。前回大会から日本をけん引してきた29歳は、定位置奪還と苦境のチームを助けるため、「リスクを冒してでも勝ちに行く」とパラグアイ戦に強い決意を示す。

 思い描いていた準備期間とはほど遠いだろう。西野監督体制になってからの2試合はいずれも後半から途中出場。左足首を痛めて出遅れていたとはいえ、練習でも控えの立場が続いている。

 2014年のブラジル大会は絶対的エースとして臨みながら、輝けずに惨敗。アジア最終予選以降は若手の活躍に押された。しかし、ここにきて状態は日に日に上がっており、巻き返しに燃えている。

 チームはスイスに敗れたことで急速に危機意識が高まった。トップ下のポジションを争う本田(パチューカ)が先発で結果を残せていないだけに、香川の存在感が高まりそうな気配だ。

 「僕もチームも失うものは何もない。どんなことを言われようが、あとは上向きに変えていくだけ」。年齢的にも円熟期に入り、集大成と位置付けるロシア大会。チームの中心に返り咲けるかどうかは、パラグアイ戦の出来にかかっている。 (浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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