6月10日

西野J“ゼロ地獄” スイスに完敗 またも無得点も指揮官に危機感なし

スイスに敗れ厳しい表情を見せる西野監督

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◇国際親善試合 日本0−2スイス

 【ルガノ(スイス)占部哲也、垣見洋樹、原田公樹】サッカーのW杯ロシア大会に臨む日本代表は8日、スイス南部の当地でスイス代表と国際親善試合を行い、0−2で完敗した。日本代表新監督の就任後無得点2連敗は1992年のハンス・オフト元監督以来26年ぶりとなったが、西野朗監督(63)は「危機感は全く感じていない」となぜか楽観的。W杯1次リーグ初戦まで残り10日となったが、西野ジャパンはゼロ勝利、得点ゼロ、危機感ゼロのゼロ地獄から、どうV字回復を図るのか。

 国際サッカー連盟(FIFA)ランキング6位のスイスに手も足も出ず、0−2と完敗。西野ジャパンは初陣となったガーナ戦(先月30日・日産ス)と同じスコアで完敗した。W杯1次リーグ初戦・コロンビア戦(19日)まで、残るはパラグアイ戦(12日)だけという中、報道陣から危機感の有無を問われると、「なんでネガティブにならないといけないのでしょうか。いいチャレンジをしていると思います。チームとして危機感というのは全く感じていません」と言い放った。

 落ち着きとは違う。達観なのか、それとも開き直りなのか。顔色一つ変えず、真顔だった。にわかには信じ難い衝撃発言だった。

 西野ジャパン発足から2試合。はやくも「0」がそのキーワードとなってしまった。<1>ゼロ勝<2>ゼロ得点<3>指揮官の危機感ゼロ−。さらにスイス戦では「決定機すらゼロ」が加わった。日本代表監督の就任後2試合連続無得点での連敗は26年ぶりと“負の歴史”を刻んでしまった(オフト監督時も2試合とも1失点止まり)。

 前半にPK、後半にカウンターから被弾して2失点となったが、重症なのはむしろ攻撃だった。

 ピッチの横幅を最大限生かすクロス戦法は不発。ゴールの予感さえ漂わなかった。「単純にクロスが上がっただけでは(ゴール前に)人が入っても難しい」とは西野監督。ハリルホジッチ前政権時の末期に露呈した、縦に速く一辺倒の低確率な攻撃が、横からの意図や狙いのない、不正確なクロスに変わっただけだった。

 田嶋会長は「W杯で勝つ確率を1%でも2%でも上げるため」と、緊急登板となった西野監督就任を説明した。だが、勝率0%の単調かつ工夫のない攻撃の繰り返し。新監督が発する「常に(勝利の)可能性を求める」という姿勢は最後までピッチに描かれなかった。

 危機感ゼロの表れか、敗戦から一夜明けた9日のリフレッシュ休暇はお預けとはならず、そのまま「あり」だった。コロンビア戦まで10日。西野ジャパンはゼロ地獄から脱出できるのかどうか。このままでは結果は目に見えている。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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