6月10日

4バックも不十分で再び2失点

◇国際親善試合 日本0−2スイス

 吉田は敗戦後、険しい表情で重い口を開いた。敗因を少しずつ挙げたが、ふと言葉を止め、われに返ると、「結果が出ていないので何をしゃべっても説得力がない。言い訳に聞こえる」と危機感をあらわにした。

 前監督時の4バックに戻した。高い位置から積極的にボールを奪いにいき、支配率を上げて攻める戦術。確かに機能した時間帯もあったが不十分で2失点につながった。

 前半42分、スイスのエンボロのドリブルを止めようとした酒井高の体の入れ方がまずかった。入れ替わられて突破を許した。それをゴール前で待ち受けた吉田は正直すぎた。エンボロは巧みに吉田の右足甲を踏み、自ら転倒したように見えたが、主審はスイスにPKを与えた。

 後半37分には日本の右CKからカウンターを食らった。守備への切り替えが遅く、あっという間に攻め込まれた。右サイドバックの酒井宏は左クロスを防げず、吉田は折り返しのヘディングへの対応が遅れ、ゴール前の長谷部らはボールしか見ていなかった。

 前監督のサッカーから一変し、選手たちが理想とするスタイルに切り替えたが、連続2失点で2連敗。GK川島は言う。「崩されてないのに失点してしまう。真剣に向き合っていかないといけない」。吉田も「時間がない。1日もそこを早く詰めなければならない」。

 本番まで残り1週間余り。即効性のある対策を講じなければ、悲劇は繰り返される。 (原田公樹)

中スポ 東京中日スポーツ

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