6月9日

日本、スイスに完敗 国際親善試合 4バック実らず守備にミス

日本−スイス 前半、ペナルティーエリアで反則しPKを与えた吉田(左)=ルガノで(岩本旭人撮影)

写真

 【ルガノ(スイス)=浅井俊典】ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場する日本代表は8日(日本時間9日未明)、当地でスイス代表と強化試合を行い、0−2で完敗した。西野監督就任後2戦連続無得点で2連敗。本大会に向けて攻守ともに課題を残した。

 日本は先月30日のガーナ戦で採用した3バックから4バックに布陣を変更し、本田(パチューカ)や長谷部(アイントラハト・フランクフルト)らが先発。国際サッカー連盟(FIFA)ランキング6位のスイスに前半42分にPKで先制を許し、後半にもサイドを崩されて加点された。けがから復帰した酒井宏(マルセイユ)、乾(ベティス)らが途中出場したが、最後まで決定機をつくれなかった。

 チームは9日に事前合宿地のオーストリアのゼーフェルトに戻り、W杯前最後の強化試合となる12日のパラグアイ戦に備える。19日にW杯1次リーグ初戦でコロンビアと対戦する。

    ◇

 日本の悪癖がまた、顔をのぞかせた。先月30日のガーナ戦と同じく軽率なミスから2点を奪われ完敗。「トライできている。危機感は全く感じていない」。そう言い切った西野監督の言葉がむなしく聞こえるほど、肝心な場面で守備のもろさが目立った。

 前半終盤に先制のPKを与えた場面。相手を倒してファウルを取られたのは吉田だが、右サイドで酒井高がパスを受けた相手に突っ込みすぎて体を入れ替えられ、突破を許したのが原因だった。後半37分にはCKからカウンターを浴びて追加点を献上。同点狙いで前掛かりになり、守備への戻りが緩慢になったところを突かれ、長谷部は「簡単にやられた」と悔やんだ。

 約2カ月前に急きょ就任した西野監督は、守りからチームづくりに着手。この日は3バックでなく、慣れ親しんだ4バックを採用した。シャキリら主力を多数擁した強豪に対し、指揮官は「守備は連動して戦えた」と話したが、引いて守れば、ある程度の成果を得られるのは当然。その中で2点を失った現実は重い。

 西野体制になって2連敗で、計4失点のうち2点をPKで失った。PKにつながったプレーについて酒井高は「失点を招くようなミスだったのか」と持ち前の積極的な守備で勝負したい気持ちをにじませた。ただ、それが生きるのは軽微なミスをカバーしうるチーム連係があってこそ。意思疎通を徹底しなければ、過ちは繰り返される。 (ルガノ・対比地貴浩)

中日新聞 東京新聞

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。

速報
ピックアップ
コラム・評論

Search | 検索