6月8日

本田、変心!?今W杯のテーマは「守備」 「守備が良ければ攻撃の特長が出る」

練習を終え宿舎へと戻る車を待つ本田。後方はスキージャンプ女子の高梨沙羅が国際大会で優勝したことがあるジャンプ台=オーストリア・ゼーフェルトで(岩本旭人撮影)

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 【ゼーフェルト(オーストリア)占部哲也、垣見洋樹、原田公樹】W杯ロシア大会に臨むサッカー日本代表は6日、オーストリア・インスブルック近郊の当地で非公開練習を行った。主力組のトップ下に入ったMF本田圭佑(31)=パチューカ=は、8日(日本時間9日未明)の国際親善試合、スイス戦のテーマを守備に設定。惨敗した4年前のW杯ブラジル大会は愚直につなぐ攻撃サッカーを志したが、思考を一新した。また、トップ下については「オンリーワンの役割」と表現した。

 時間と苦しみが人を変えるのか−。本田は惨敗を喫したW杯ブラジル大会以来4年ぶりにトップ下に戻るが、アプローチは180度違った。かつてパスをつなぐ「俺たちのサッカー」を貫いた男が、スイス戦で挙げたテーマはまさかの「守備」だった。

 「ひと言で言えば、守備が良ければ、しっかりと攻撃の特長が出ると。もちろんその逆も然りなんですが。このスイス戦に限って言えば、守備でいくつか試したいパターンがある。(守備を)はめられたパターン、はめられない場面でのプレスっていう、大きく言えばその2つ」

 思考の出発点は守備から。さらにさかのぼった8年前のW杯南アフリカ大会は、大会直前に攻撃から守備に比重を置き、方向転換した。しかし、本田は当時とは違うと主張する。

 「(想定した守備が)全部駄目になってもあのやり方はできると思います。全員守備でいく。攻撃の議論は無しにしようと。それは最終パターン。いろんな(攻撃)パターンで相手の最終ラインを破る議論をしている。2010年はそんな議論は、ほぼなかった。行き当たりばったり。やるしかないみたいな感じがあの時。全然違います」

 攻撃志向は捨てず、まずは守備の構築を最優先する。トップ下の表現も変わった。14年3月には「トップ下のDNAを持っている。トップ下は自分の家みたいなもの」と言っていた。4年後の今は、こう表現した。

 「トップ下の役割っていうのはチーム状況によって、つなぎ役になるか、ゴールゲッターになるか。求められるプレーに幅がある。オンリーワンの役割」

 攻める時か、耐える時か。状況に応じて志を変える。ブラジルでの誇り高く座る王様ではなく、ロシアでは全軍を見渡し動かす将軍だ。議論の中心に本田がいるのかと聞かれると「みんな。みんな、います」と強調した。思考と志向を変えた新トップ下の本田が、スイスでベールを脱ぐ。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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