6月6日

<西野流の鍵>(上)ウイングバック 両サイド攻防の主役

W杯本番に向けて調整する長友。後方は西野監督=オーストリア・ゼーフェルトで(岩本旭人撮影)

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 西野朗監督の日本代表において、最も重労働を強いられるポジションだろう。ピッチで左右の翼となるウイングバック。左の長友は言う。「サイドにいるのは一人だけ。そこで自分が厚みを持たせられないと、このシステムは機能しない」

 先月30日のガーナ戦で、西野監督は長谷部をリベロに置く3−6−1の新布陣で臨んだ。ハリルホジッチ前監督がほぼ固定して使っていた4−3−3のサイドバックに比べ、中盤が厚くなるが、ウイングバックの前方には味方がいなくなる。先発した左の長友と右の原口はサイドの全権を与えられ、上下動を激しく繰り返した。

 試合は0−2で完敗したが、西野監督は「サイド攻撃は良い形ができた」と評価。ウイングバックの効果的な攻撃参加が生命線になることを印象づけた。一方で、縦約100メートルのピッチを誰よりも走ることを求められ、攻め上がった背後を突かれる危うさも同居する。

 現代サッカーでは、ウイングバックやサイドバックの役割が多様化している。1対1の対応はもちろん、自陣では攻撃の組み立てに加わり、サイドアタッカーのように敵陣の深い位置での突破力も要求される。それが専門色の強いポジションといわれるゆえんだ。

 西野監督は、対戦相手に応じて3バックと4バックを併用する考えを示す。どちらにも柔軟に対応しなければならない彼らの重要度は増すばかり。右での起用が考えられる酒井宏(マルセイユ)は「システムどうこうより、相手に対していかに効果的な動きができるかが大事になる」と攻防のポイントを語る。 (浅井俊典)

 ◇ 

 6大会連続6度目のW杯に臨む日本代表は4月に就任した西野監督の下、急ピッチでチームづくりを進めている。残り2週間でいかに西野流を浸透させるか。鍵となるポジションから戦い方を探る。

中日新聞 東京新聞

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