6月5日

香川“4年前のドログバになる” 「ベテラン偏重」批判に結果で応える

練習中に真剣なまなざしを浮かべる香川=オーストリア・ゼーフェルトで(岩本旭人撮影)

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 【ゼーフェルト(オーストリア)占部哲也、垣見洋樹】香川がドログバになる−。サッカーの2018年W杯ロシア大会に出場する日本代表は3日、当地で本格的な練習を開始。MF香川真司(29)=ドルトムント=は、前回ブラジル大会で日本を撃破したコートジボワール代表の世界的ストライカーで、当時36歳だったドログバを引き合いに「ベテラン偏重」という日本代表への批判に反論した。4日は西野ジャパンでは初となる午前、午後の2部練習。午前中はサーキットトレーニングなどで軽く汗を流した。

 平均年齢28・3歳。前回大会で1勝もできなかったチームの主力が軒並み残った今回のメンバーに、世間の風当たりは強い。3日の練習後、その点を問われた香川は、落ち着いた口調で答えた。

 「4年前、ドログバ選手が入って、彼らは生き返った」

 前回大会初戦、日本と対戦したコートジボワールは後半17分、ベテランのドログバをピッチに投入。一気にギアを上げ、同19分と21分の連続得点で日本を逆転した。この衝撃的な敗戦の経験を生かさない手はない。香川は確信に満ちた表情で続けた。

 「実績、経験のある選手は絶対に重要になってくる」

 ドログバは屈強で長身の点取り屋。香川は小柄な技巧派だが、欧州のトップリーグで活躍した実績では共通している。

 西野新体制になり、香川自身、途中出場で流れを変える役割を託される可能性もある。2008年10月のオマーン戦、17年10月のハイチ戦では途中出場でゴールを決めている。21歳だった8年前はバックアップメンバーとして大会を経験し、4年前は主力として出場。欧州のクラブで経験を積み、年長者の風格が備わってきた。欧州各地から日本人ファンが駆けつけたこの日、香川は駆け寄ってきた小さな女の子を抱き上げて喜ばせた。宿舎で隣部屋の長友について「うるさいぐらい歌を歌っていて、ストレス」と冗談を飛ばし、バックアップメンバーの井手口、浅野については「彼らの気持ちは理解できる」と気遣いも見せた。

 2大会連続で背番号10を背負う重圧に関しては、「活躍すれば必要以上に称賛され、できないと批判されるのは当たり前」とさらり。29歳が熟成の味を醸し出すかもしれない。 (垣見洋樹)

中スポ 東京中日スポーツ

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