6月4日

西野ジャパン、宿舎到着即初練習のサプライズ始動

事前合宿地のゼーフェルトに到着し、雨の中、ランニングで汗を流す選手たち。後方はスキーのジャンプ台=オーストリア・ゼーフェルトで(岩本旭人撮影)

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 【ゼーフェルト(オーストリア)占部哲也、垣見洋樹】サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会に臨む日本代表は2日、直前合宿地であるオーストリア・インスブルック近郊の当地に到着し、早速、初練習。雷鳴とどろく中で約30分間、ランニングやストレッチで約13時間の長旅で疲れた体をほぐした。当初の予定では宿舎入りだけだったが、急きょスケジュールを変更。5月末のW杯最終登録メンバー23人発表時とは違い、サプライズ発進となった。

 西野ジャパンがサプライズで大会直前合宿をスタートさせた。ドイツの・ミュンヘンから陸路でオーストリア・ゼーフェルトに到着し、地元の伝統的な衣装をまとった音楽隊の歓迎を受けたのが午後7時ごろ。それからわずか30分後のことだった。西野監督、選手らは移動用のバスに乗り込むと、そそくさと練習場へ向かった。

 早川直樹コンディショニングコーチは「練習場の見学? いや、練習しますよ」と事前発表された日程にはない“速攻初練習”を明かした。雨脚は強くなり、雷も鳴る悪コンディション。普段は強気な本田も「あれ雷の音? 鳴ってるやん」とスタッフにこぼすほどだったが、それでも軽めのメニューで体をほぐした。

 驚きの演出をした西野監督は「ピッチ(状態)はいいね。練習は予定通り。(飛行機の到着が)遅れていたらやらなかったが」と、何事もなかったかのようにサラリ。W杯1次リーグ初戦のコロンビア戦(19日)まで2カ月を切った4月12日に就任した指揮官が、短時間の準備で求めたものは「和」や「団結」。宿舎のジムで個々の選手が時間差でトレーニングをするよりも、チーム全員で一緒に動くことの方が大事だと考えたようだ。

 西野監督は「これからはいや応なしに緊張感が高まってくる。(8日の親善試合)スイス戦までは(練習の)インテンシティー(強度)を高めてやっていきたい」

 サプライズ選出もなく平均年齢が過去最高齢28・3歳となった西野ジャパンには「次につながらない」などと批判的な意見も出た。そんな逆風が吹き荒れる中で敢行したサプライズ練習だったが、終わった時には奇麗な虹がかなたの山嶺(さんれい)に架かる吉兆も見られた。残された時間は少ない。コロンビア戦で起こす“小さな奇跡”のためにも、わずか30分でも無駄にはしない。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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