6月1日

西野Jは経験重視 平均年齢は過去最高の28.3歳 サプライズなし

サッカーW杯ロシア大会の日本代表メンバーを発表する西野朗監督。左は日本サッカー協会の関塚隆技術委員長。右は同協会の田嶋幸三会長=東京都内で(武藤健一撮影)

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 日本サッカー協会は31日、ワールドカップ(W杯)ロシア大会(14日開幕)に出場する日本代表メンバー23人を発表した。西野朗監督(63)が東京都内で開かれた記者会見で一人一人の名前を挙げた。26人分の23人だったこともあってサプライズ選出もなく、MF本田圭佑(31)=パチューカ、FW岡崎慎司(32)=レスター、DF長友佑都(31)=ガラタサライ=らベテランが名を連ねた。海外組は過去最多15人、平均年齢は過去最高齢28・3歳。経験値の高い“オールド・ジャパン”で中盤を制し、6月19日の1次リーグ初戦・コロンビア戦で「小さな奇跡」を起こす。

 W杯ロシア大会のメンバー発表で驚きの「おぉ〜」の声は報道陣から出なかった。西野監督が「武藤」と読み上げるまで淡々と静かに時間が流れた。5月30日のガーナ戦(日産ス)からメンバー漏れした井手口、浅野、三竿は1〜3番目に若い3人だった。平均年齢は2010年W杯南アフリカ大会の27・8歳を抜き、最高齢28・3歳を記録した。

 「経験値、実績もある。過去に力もって、将来、可能性を持つ選手を基準として考えた」。2大会連続出場者は本田、香川、岡崎の“ビッグ3”を含めた11人。この数字も06年W杯ドイツ大会の10人を1人上回り、海外組15人も最多だ。若さの勢いよりも熟成を重視した。指揮官の頭の中には複数の戦術、戦略が「膨らんでいる」という。

 「たくさん絵を描きたい。各チーム(コロンビア、セネガル、ポーランド)に対応できる代表チームを結束して全員でつくり上げていきたいなと思う」

 柏と名古屋で強化本部長、GMとして西野監督を支えた清水の久米GMは、西野を「確率論で動く」と証言する。計算のできる選手をそろえた格好だ。ガーナ戦でテストした3バックだけでなく、従来の4バックの併用も視野に入れる。カメレオン作戦を可能にするため、経験と実績を重視。「ゼロコンマ何秒で戦いが決まる厳しい世界」とサプライズを排除した。

 1996年のアトランタ五輪では王国ブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こした。「今回は、どんな奇跡見せられますか?」と質問された。「奇跡と言われても正直、お答えできることはない」と困りながらも「初戦のコロンビアを倒すこと。今は、『小さな奇跡』かもしれませんが持ちたい」と加えた。前回大会で1−4で大敗した相手。その経験を持つ11人をそろえ、まずは「小さな奇跡」に照準を合わせた。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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