6月1日

サッカーW杯代表発表 本田、香川、岡崎実績で選出 

 日本サッカー協会は31日、6月14日開幕のワールドカップ(W杯)ロシア大会に臨む日本代表23人を発表し、W杯で日本選手最多の3点を挙げているMF本田が3大会連続で選ばれた。左足首を痛めてメンバー入りが注目されたMF香川、FW岡崎も入り、実績重視の顔触れとなった。

 西野監督は東京都内で行われた記者会見で「総合的に考えた中で、(コロンビアとの初戦の)19日にベストパフォーマンスを出してくれる選手を選ばせてもらった。一試合一試合勝ち点を取り、1次リーグは勝ち抜きたい」と目標を掲げた。

 本田と岡崎のほか、主将のMF長谷部、DF長友、GK川島も3大会連続の代表。MF宇佐美、FW武藤ら12人は初の大舞台に挑む。

 30日のガーナ戦招集メンバーから、井手口(クルトゥラル・レオネサ)、浅野(ハノーバー)、三竿健(鹿島)の若い3人が選から漏れた。

 1次リーグH組の日本は6大会連続6度目の出場。

◆平均年齢 過去最高28.3歳

 リストに連なる名前に驚きはない。ほぼ無風に終わった代表メンバー発表で、西野監督が頼みにしたのは前回ブラジル大会の経験者らベテランだった。大会開幕時の平均年齢は過去最高の28・3歳。W杯初戦までのわずか3週間で急造チームを仕上げなければならない切迫した状況に、現実路線を選択したといえる。

 「前日のガーナ戦が終わった時点でリストは作っていた。最終的には今朝、メディカルチェックを行った上でスタッフの意見も聞いて決めた」。西野監督はそう説明した。

 ガーナ戦は3バックの新布陣など複数の戦い方をテストしたが、どれも機能せずに0−2で完敗した。危機感が高まる中で過去のW杯のようにサプライズ選出をする余裕はなく、この試合で先発した本田や長谷部らベテランに主軸を託す考えを固めていた。

 西野監督は、ボールを保持する「自分たちのサッカー」を貫いて惨敗した前回大会を踏まえ、相手に応じて選手や戦術を変える戦いを模索する。ただ、全て格上の対戦国相手に「たくさんの絵を思い描いてはいるが、落とし込むのは難しい」。短期間で自らの戦術を浸透させるために、経験豊富な実力者の適応力を求めた。

 「自信を持って、この23人をリストにあげた」と語る監督の表情は終始硬いまま。W杯開幕2カ月前のハリルホジッチ前監督解任という負の側面も背負いながら、苦しいチームづくりを強いられている様子がうかがわれ、これから世界に挑む高揚感は伝わってこなかった。

 会見場に集まった報道陣は前回よりも100人以上少ない286人で空席が目立ち、以前のような国民的関心事の様相はない。ガーナ戦では試合終了後にブーイングが起こるなど、かつてない逆風の中でぎりぎりの準備が続く。 (浅井俊典)

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中日新聞 東京新聞

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