5月31日

西野J、初陣は完敗 ガーナに0−2

日本−ガーナ 前半、パーティー(左から3人目)に先制を許した日本=日産スタジアムで

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 国際親善試合、キリン・チャレンジカップの日本−ガーナは30日、横浜・日産スタジアムで行われ、日本は0−2で完敗した。ハリルホジッチ氏の解任を受けて就任した西野監督の初陣で、6月14日開幕のワールドカップ(W杯)ロシア大会前国内最後の一戦を勝利で飾れなかった。本大会のメンバー23選手は31日に発表される。

 日本は3バックの新布陣で臨み、本田(パチューカ)らが先発。W杯出場を逃したガーナに前半にFKで先制点を許し、後半にはPKで加点された。途中出場の香川(ドルトムント)や岡崎(レスター)もゴールを奪えなかった。

 日本代表は6月2日に事前合宿地のオーストリアのインスブルックに向けて出発。8日(日本時間9日)にスイス、12日にはパラグアイと強化試合を行う。

 19日に1次リーグH組の初戦でコロンビアと対戦する。

     ◇

 雨に打たれながらピッチサイドに立ち続ける西野監督が何度頭を抱えたことか。「勝ってロシアへという思いで準備してきたのに申し訳ない」。悲壮な覚悟を持った新指揮官の初陣は1点も奪えずに0−2の完敗。3週間後に迫ったW杯初戦に向け、不安材料を挙げればきりがない。

 長谷部をリベロに置く3バックの新布陣は、守備時に両翼が戻る実質的な5バック。W杯でもまずは守備を固めるというプランの一つをピッチに投影させたが、敵将のアッピア監督に言わせれば「日本は守りが弱いように感じた」。確かに決定的な場面で持ちこたえられなかった。

 象徴的だったのは2失点目のPKにつながったファウルだ。守備の背後をつく浮き球の処理にもたつき、抜け出した相手FWを川島が倒した。急造DFラインに生じたずれに、長谷部は「3バックはオプションとしては良いけれど…」と歯切れが悪い。

 W杯で勝つ確率を数パーセントでも高めるために日本協会が決断した監督交代には、選手も期するものがあったに違いない。序盤のプレーには気迫が感じられたが、時間とともにカンフル剤の効果が切れてくると、パスの軌道は敵陣ペナルティーエリアの外周をなぞるばかり。ボールは回れどゴールに迫れない展開は、ハリルホジッチ前監督以前の日本に逆戻りしたかのようだった。

 数少ない収穫は、監督が予定通りに戦術や選手をテストしたことか。3−6−1、3−5−2、4−4−2と目まぐるしく布陣を変え、長らく実戦から遠ざかっていた香川、岡崎らをピッチに立たせた。「これからは全てをコロンビア戦に向けて照準を合わせる」と西野監督。ただ、核となる布陣はいまだ固まらず、手をつけるべき課題ばかりが指揮官の肩にのし掛かっている。 (浅井俊典)

中日新聞 東京新聞

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