5月22日

西野ジャパン、静かに始動 けが人続出も追加招集には慎重

本田(右)や香川(中央)ら選手の動きを見つめる西野監督(左)=千葉県内で(岩本旭人撮影)

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 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会(6月14日開幕)に臨む日本代表の国内合宿が21日、千葉県内でスタートした。MF本田圭佑(31)=パチューカ、MF香川真司(29)=ドルトムント=ら海外組10人が約1時間、軽いランニングなどで汗を流した。左足首痛のFW岡崎慎司(32)=レスター=が別メニュー調整、右太ももを痛めているMF乾貴士(29)=エイバル=が宿舎にとどまるなど、W杯初戦まで1カ月を切った時期ながら、けが人が目立つが、西野朗監督(63)は追加招集については慎重な姿勢を示した。

◆乾は一人で宿舎

 静かな船出だった。西野監督はピッチ上で両手を組み、一歩下がって練習を見守った。全権を握ったハリルホジッチ前監督とは対照的な姿勢で、約1時間の練習は手倉森コーチが仕切った。けが人が続出する中でも、黄金期を築いたG大阪時代とスタイルは変わらなかった。慌てず、騒がず、腰を据えた。

 「(自分が)ピッチと日差しに耐えられるかなという感じでした(苦笑)」。練習は夕方からで日差しは強くなかったが、2年ぶりの現場復帰の感想を口にした。G大阪時代の教え子、宇佐美も「(監督は)たまに見せる天然なところもあって楽しいですよ」とニヤリ。前政権時のどこか空気が張り詰めた感じもなく、練習中も笑い声が上がるなど、和やかムード。西野監督も「比較的フレッシュに取り組んでくれた」と合宿初日を振り返った。

 前日にはGK中村(柏)が名古屋戦で相手FWと空中で交錯、地面に頭から落ちて入院。右太もも負傷で緊急帰国した乾は宿舎で一人始動となった。また、ガーナ戦のメンバー発表前にはMF今野(G大阪)が右足首のけがで手術決定、FW小林(川崎)も左ふくらはぎ肉離れで招集できないなど不運続きで、西野ジャパンは野戦病院と化している。

 ただ、追加招集には慎重姿勢。「乾の状態もある。岡崎の状態もある。(左足首痛の)香川も含めて、もう少し可能性を、見極めをした上で考えていきたい」。18日の代表発表記者会見で追加招集を示唆していたFW久保(ヘント)もシーズン終了、22日にも帰国するが、自重した。

 動かざること山のごとし、いや、急いては事をし損じるか。与えられた時間が少ないのは承知だが、型にはめるのではなく、個々の選手の良さを引き出し、化学反応を起こさせるためにも、まずはじっくりと静かに見守り、現状把握に努める。J1歴代最多270勝を誇る新指揮官は、逆風の中でも「わくわくしている」と言い切った。 (占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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