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能登半島地震特集能登有料道 全線復旧 半島の動脈 威力実感本紙記者も走行 羽咋から穴水 50分で能登半島地震で大規模な被害を受けた能登有料道路が二十七日、全線開通した。能登半島の大動脈として地元の生活を支え、観光客の入り込みにも欠かせない重要路線。今回の地震で通行止めとなった羽咋市の柳田インターチェンジ(IC)から穴水町此木までを走ってみた。 (寺本康弘) 地震後間もない三月二十九日に復旧した柳田IC−徳田大津IC間の二一・二キロ。アスファルトが真新しい個所がわずかに見られるが走行に支障はなく、一部の片側二車線もそのまま。地震の痕跡は残っていない。 四月二十日に開通した徳田大津IC−横田IC間(一一・一キロ)も変わった場所はほとんど見られないが、七尾市中島町の豊田橋前後に来ると一変。山を削って設けられた迂回(うかい)路があり、山側は真新しい土の斜面、反対側には陥没した道路がそのままの状態で残る。 迂回路は山側に急カーブを描いているため、カーブの進入口にはスピードの注意を促す黄色の大きな看板。時速は四十キロに制限されている。 横田ICを過ぎると真新しいアスファルトと地震以前からあるアスファルトの道路が半分にもなっていて、工事個所の多さが目立つ。途中には「がんばっています能登半島」と、訪れる人へのアピール看板も設置されている。 前後の道路が陥没して百三十七人が避難した別所岳サービスエリア(SA)周辺。迂回路の脇に中央線とみられる線が途中で途切れているなど、地震のすさまじさが感じられる。 このため、別所岳SAは当分の間利用できない。越の原ICの周辺でも大規模な崩落があり、多くの迂回路が。迂回路に入る際はカーブがあり、運転も慎重になる。 ただ、迂回路といっても本来の能登有料道路とほぼ同じ路線を走っているため、距離としてはほとんど変わらず、実際に走って羽咋市から穴水町までは約五十分。復旧の迅速化と観光客の誘客に能登有料道路がどれだけ力強いか、あらためて実感した。
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