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能登半島地震特集

待ってた仮設入居 輪島市 239世帯に決定通知

配置図を見ながら、隣近所を確認しあう被災者たち=石川県輪島市門前町の阿岸公民館で

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 石川県輪島市では二十四日、住宅に大きな被害を受けた被災者たちが待ち望んだ仮設住宅の入居決定通知が郵便で発送された。説明会を経て今月末には入居が始まる予定で、行き場を失っていた約二百人はようやく避難所生活から解放され、生活再建に向けた新たな一歩を踏み出す。 (小松支局・杉山直之)

 同市内の仮設住宅は四カ所計二百五十戸。市は申し込みのあった二百三十九世帯に通知した。契約書や入居のしおりなどが同封され、二十五日中にはほとんどの被災者の手元に届く見込み。また、道路の寸断で孤立し、現在も日中の一時帰宅のみが許されている同市門前町深見地区の住民約六十人には、集団で避難生活を送る阿岸公民館に市職員が直接届けた。

 通知書を受け取った同地区の住民らは早速、入居先となる仮設住宅の位置や間取りを確認。配置図を片手に「あんた、どこになった?」などと尋ね合う姿も見られた。

 仮設住宅が隣同士になった女性二人は「地元では離れていたけど、今度はご近所さんやね」と笑顔。家族三人で入居する男性(57)は「とりあえず落ち着き先が決まって一安心。避難所ではどうしてもほかの人に気を使ってしまう」と、ほっとした表情を浮かべた。

 市都市整備課によると、仮設住宅の入居場所は被災程度と震災前の住所、自動車の有無を重視して決定。新潟中越地震の被災地・長岡市や小千谷市の例を参考に、集落が分散しないよう配慮したという。担当者は「住宅地図とにらめっこしながら、隣近所がなるべく近くなるよう考えた。建設場所と戸数から限界はあるが、苦心した点は理解してほしい」と話す。

 市内四カ所の仮設住宅のうち、宅田地区と門前町舘地区では二十八日から入居が始まる。百五十戸が建設されている門前町道下地区は二十九、三十日に説明会を開き、同日からの入居となる。

 

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