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能登半島地震特集

門前じんのびの湯 中性→アルカリ性に 海水が入り泉質変化か

多くの市民が参加した金沢大の能登半島地震報告会=金沢市西町の金沢大サテライトプラザで

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金大報告会で発表 入浴に問題なし

 輪島市門前町にある温泉施設「門前じんのびの湯」が、能登半島地震の影響で中性からアルカリ性へと変化していたことが分かった。金沢大の田崎和江教授が二十一日、金沢市西町の同大サテライトプラザで開かれた報告会で明らかにした。人体への影響はないという。田崎教授は「継続して調査する必要がある」としている。 (高橋雅人)

 田崎教授らのグループは、四月上旬に輪島市で生活に使われている井戸水やわき水十四カ所について、聞き取り調査を行った。その結果、地震発生後の二日−一週間程度、それぞれ白色や茶色の濁りが生じていたことが分かった。

 これを踏まえて、水質を調べたところ、じんのびの湯は、二〇〇一年の調査による成分表では中性だったのが、今回は酸性とアルカリ性の判断基準となるpHが8・1とアルカリ性を示し、塩化ナトリウムが多く含まれていた。

 田崎教授は「地震で地下の地盤が動き、地下水に海水が入り込んだ可能性がある。入浴しても問題はないが、今後、元に戻るのかどうかなどを定期的に調べたい」と話している。

 このほか、輪島市杉平町の井戸水は昨年のデータではpHが6−7と中性だったのが、5・9の酸性に変化していた。硫酸イオンが多く含まれていたことから、土壌中の粘土が溶け込んだとみられるという。

 報告会には市民ら約百七十人が出席。ほかに、地震発生のメカニズムや、地盤や建造物の被害状況、高齢者に対する精神的ケアの必要性などが発表された。

 

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