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能登半島地震特集

3・25能登半島地震 発生から半月余(2) 民生委員、即座に各戸訪問

市の対応は後手に

 地震で被害の大きかった輪島市門前町。高齢者が人口のほぼ半分を占める過疎の町だが、地域の民生委員による素早い安否確認などが功を奏した。しかし、同市では介護を必要とする高齢者らの対策を事前にまとめておらず、震災後の対応は後手に回った。

 安否の確認で活躍したのは、地元で暮らす民生委員だった。合併前の旧門前町が独自に作った高齢者世帯を色で区別した地図を使い、一軒一軒を訪問した。また、門前町には民生委員とそれを支える福祉推進委員は計百四十七人いる。輪島地区の二倍近くいたことも幸いした。

 しかし、民生委員にも高齢者が多く、被災した人が目立つ。関係者の間からは、多くの役割を期待することを疑問視する声がある。視察で訪れた神戸市職員は「震災後には地域内の相互支援が崩れることがある。行政の支援が必要だ」と助言する。

 輪島市の事前の備えが不十分だったことも浮かび上がった。

 国は二〇〇五年に「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」を策定。災害時には高齢者や障害者を保護するための施策をまとめるよう自治体に求めている。輪島市はほとんど手をつけてなく、特別な支援を必要とする人のリストもなかった。

 また、ガイドラインが求める福祉避難所も用意していなかった。避難所での生活が困難な人のための施設で、輪島市は地震後の三月末、急きょ市内の施設に協力を要請。四月に入ってようやく受け入れが始まった。

 避難所では、仮設トイレの段差を上れない高齢者が続出。付き添いできる人も少なく、高齢者が顔見知りの高齢者を助ける格好になった。損壊が激しい自宅に残る人も少なくなかった。その後、ボランティアがサポートに入り、救援物資が届くにつれ、徐々に改善されている。

 

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