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能登半島地震特集

18日ぶり 『朝市』が本格再開 輪島 震災前と同規模

本格的に朝市が再開され久しぶりの常連客と「元気やった?」とあいさつを交わす出店者=11日午前8時50分、石川県輪島市河井町で(西浦幸秀撮影)

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 能登半島地震の影響で震災後、細々と続けられていた石川県輪島市河井町の「輪島の朝市」が十一日朝、本格的に営業を再開した。地震直後は十店ほどが点在するだけだった朝市通りはこの朝、震災前とほぼ同じ二百店余りがずらり。「こーてくだー、こーてくだー(買ってちょうだい)」。青空の下、売り子のおばちゃんの呼び声が響きわたった。(輪島通信局・石本光)

 朝市組合の呼び掛けで、目玉の鮮魚店などが一斉に店を開いた。

 朝早くから地元の住民に加え、近くの同県七尾市の和倉温泉から、団体客が大型観光バスで次々に訪れた。再開を祝って、メギスの団子汁が振る舞われたほか、イナチュウ美術館前で輪島名物の「元気太鼓」や「名舟の御陣乗太鼓」が打ち鳴らされ、朝市は活気に包まれていた。

 頭をスカーフですっぽり覆う奥能登スタイルで三十年以上、昆布巻きや卵焼きなどを売り続けている折戸美都栄さん(80)は「いっぱいの人が買いに来てくれた。うれしいし、楽しいし」と顔をほころばせていた。福島県南会津町から五人で訪れた星文二さん(80)は「能登半島地震で落ち込んでいる輪島観光復活に協力しようと岐阜県の飛騨高山からこっちに寄った。能登の母ちゃんらは元気がいいね。逆に励まされたよ」と笑っていた。安藤登允組合長は「朝市らしい格好になった。能登のおばちゃんパワーとバイタリティーで、“輪島は元気だ”を全国発信し観光客を取り戻したい」と張り切っている。

 

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