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能登半島地震特集門前の海岸50センチ隆起 金沢大のグループ 震源断層付近で確認
能登半島地震の影響で、震源地に近い石川県輪島市門前地区の海岸が最大で約五十センチ隆起したことが、金沢大理学部地球学科の研究グループの調査で分かった。断層と推定されるところより北側に沈降も見られたことから、地層が南東から押し出された「逆断層」だったことも確認された。 調査は、守屋和佳博士研究員ら七人が、今月三、四日に門前地区皆月から志賀町赤住にかけての海岸沿いで行った。 その結果、隆起は門前地区の鹿磯から志賀町福浦地区にかけて約二十キロで見られ、特に国土地理院が推定する震源断層付近の門前地区の赤神、大泊の海岸沿いで最大の約五十センチが確認された。本来、岸壁や岩場の海中に付着している海藻類のホンダワラ、アラメ、アオサやカキが、隆起のため、海上に現れている部分を測定した。
調査では、震源断層とみられる鹿磯より北側の皆月付近で、逆に十センチ程度の沈降も確認された。守屋研究員らは、今回の地震は、太平洋プレートによって南東方向から押しだされた地層がせり上がり、「逆断層」になったとみている。 赤神地区の海岸では、冬場にイワノリを採取するノリ畑(コンクリート平面)が隆起したため、イワノリ採取が困難になっている。漁港施設の損壊とともに、隆起のため海中で岩場がせり上がっている可能性もあり、漁港周辺の船舶の通航も注意が必要という。 守屋研究員は「隆起は収まっており、これ以上はないと思われる。しかし、イワノリなど漁業への影響が懸念されるし、漁港や道路などの施設の被害もかなり出てくるだろう」と話している。
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