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能登半島地震特集

能登の宝 大丈夫か 文化財の震災影響 本格調査

絵馬「元寇の合戦図」など、市指定文化財の被災状況を確認する県指定文化財保護指導員(左)ら=4日、石川県輪島市門前町田村の八幡神社で

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門前・八幡神社 元寇合戦の絵馬損傷なし

 能登半島地震で被害を受けた文化財の調査が本格化している。被害の大きかった石川県輪島市はこれまでに、市内にある国、県、市指定の有形文化財計約二百六十点のうち主な約五十点の状況を確認した。五日昼からは文化庁の調査官が現地に入り、国や県指定の文化財を調べた。(報道部・加藤裕治)

 市の調査は地震翌日の三月二十六日から始め、県指定文化財保護指導員の砂上正夫さんらが現地を訪ね、損傷状況などを確認している。四日は輪島市門前町・田村地区の日吉神社と八幡神社で、市文化財指定の絵馬とこま犬を見た。

 八幡神社は土台がずれ、ほこらは危険な状態。しかし、中に掛かる元寇(げんこう)の合戦を描いた絵馬に損傷はなかった。地元の人たちは「中が無事で安心した」とほっとした様子。日吉神社には、南北朝時代の作らしい木彫りのこま犬があるが、無傷だった。

 砂上さんは「総持寺など建造物では、大きな被害を受けているものが多いが、工芸品はほとんどが無事でした」と話す。

 文化庁は五日に二人の調査官を派遣。六日までの二日間で国の重要文化財の時国家住宅や、県指定の角海家、総持寺など六件を調査し、修理方針などの指導をする。五日はまず、県指定文化財の阿岸本誓寺を訪れた。

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 文化庁の村田健一主任調査官は「建物の骨組みには損傷がなかったが、回廊が傷んだり、壁が落ちたりしていた。県の要請があれば、技術的な面で支援していきたい」と話した。

 

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