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能登半島地震特集

金工大が調査速報会 揺れの方向 明確に違い

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穴水 断層と垂直 門前 断層と平行

 能登半島地震で同じ震度6強を観測した石川県穴水町と輪島市門前町とで揺れの方向が違っていたことが、金沢工大の調査で分かった。後藤正美准教授が二日、石川県野々市町の同大で開かれた地震の一般向け速報会で明らかにした。

 金沢工大の後藤准教授らは京大、福山大と合同で三月二十九、三十日に穴水町と輪島市門前町で計約二千五百軒の被災状況を調査した。その結果、穴水町では倒壊した家屋の大半が今回の地震を引き起こした北東−南西に延びる断層に対して垂直方向に傾いていた。一方、輪島市門前町では断層と平行に倒れていた。

 後藤准教授は「これほど明確に揺れの方向が異なっているのは珍しい」と評価。今後、地震波などを詳しく分析して原因を解明する。

 速報会では、倒壊した家屋の99%以上が一階が大きく傾いているのに対し、二階は軽い損壊にとどまっていたことも報告された。調査チームは「一階は二階に比べて部屋が広く、壁が少ないため、地震に弱い。さらなる分析が必要」とした。また、倒壊した家屋には、シロアリの害が多く見られたとの指摘もあった。

 土木分野では金沢工大の木村定雄教授らが道路や橋の状況を発表。「災害時の緊急輸送道路に指定されていた能登有料道路がつぶれたことを教訓にしなければならない」と強調した。速報会は被害の実態をいち早く県民に伝えようと開き、学生や市民らが出席した。

 

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