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能登半島地震特集復興に向け“新鮮力”ゴー 県内官公庁、企業で辞令交付多くの官公庁や企業で新年度が始まった2日、能登半島地震で深刻な被害を受けた石川県輪島市などでも辞令交付式があり、発生から9日目を迎えた中、首長らが復興に向けて全力で取り組もうと訓示した。 被災地で汗流せ■県庁
石川県庁では防災服姿の谷本正憲知事が新規採用の七十一人に辞令を交付。「知恵を出し、創意工夫を」と訓示した。 県は四日に新採者と昨年度中途採用者計七十五人を研修の一環で被災地に派遣し、ボランティア活動させる。谷本知事は「自分の目、肌で現地を確認し、行政として何ができるかを考えてほしい」と述べた。 また、昨年度は全国で公務員の飲酒運転が問題化したことを受け「交通ルールはしっかり守る。手本を示して」と呼び掛けた。最後に、行政経営課主事の寺西舞さん(22)が宣誓書を読み上げた。 谷本知事はその後、管理職らを前に年度初めの訓示。志賀原発の臨界事故隠しや能登半島地震を挙げ「大変な中での新年度スタートとなった。これまで以上に緊張感を持って当たってほしい」と述べた。 (報道部・渡辺聖子) 運動着姿『いつでも』■輪島市
輪島市では、毎年辞令を交付していた大会議室に市災害対策本部を開設したため、議員控え室に会場を移動。紺色の防災服姿の梶文秋市長が新規採用の十五人に辞令を交付し「倒壊した家屋数は調査が進むにつれ、日を重ねるごとに数が増えている。復興作業に精いっぱい頑張るように」と訓示した。 新採職員と同席の部長級七人は作業服やトレーニングウエア姿。新採職員を代表し村田真吾さん(22)さんが「全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する」と宣誓し、式後はただちに被災者救済、復興の業務に取り組んだ。 同市は、新採職員のうち看護師など専門職を除く六人を、辞令の配属先ではなく市災害対策本部に配置。例年は約二百人に達する一日付け異動を凍結し、退職予定だった四十五人のうち三十三人を嘱託として、復旧に全力を挙げる。 辞令交付式にはこれまで、係長級以上の約百人も同席していたが、ことしは出席を見合わせた。 (輪島通信局・石本光) 長期戦、一丸で対処を■志賀町志賀町は災害対策本部のある三階会議室で年度始め式と辞令交付式を行い、一日付で助役から副町長となった坪野高志・町長職務代理者が「災害復旧は長期戦になると思う。一丸となって頑張ってほしい」と防災服姿で訓示した。 細川義雄町長が二月から入院して不在、三月には北陸電力志賀原発の臨界事故隠しが明らかになり、地震被害で避難所暮らしをする住民も。例年なら全職員が集まるが今年は各課長と保育園所長だけが出席した。 坪野副町長は「町長不在の中、全職員が地震の復旧、町民支援にあたっている」と話し、北電には「ただただ情けない思いでいっぱい」と不快感を表した。式に先立ち、新規採用職員八人に辞令を交付し「全体の奉仕者として職務に精励してほしい。災害復旧にもあたっていただく」と述べた。 (志賀通信部・小塚泉)
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