トップ > 北陸中日新聞から > 能登半島地震特集 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事
能登半島地震特集区長、市職員も疲れピーク 『帰って休みたいが…』能登半島地震から一週間が過ぎ、石川県輪島市の被災地では、避難所生活が続く住民のみならず、避難所をとりまとめる区長や公民館員、対応に奔走する市職員も疲れがピークに達している。 「ああ、気持ちいい」。同市門前町の避難所・諸岡公民館で一日、県柔道整復師会ボランティアのマッサージを受けたお年寄りらが声を上げた。 「自分もやってもらおうなんて余裕はなかった。惜しいことをしたな」。震災後、同公民館に泊まり込み、住民の世話を続ける輪田彦正館長(70)は苦笑い。「思いつかなかった。肩はパンパンだけど」。道下地区の泉靖郎区長(73)らほかの避難所スタッフもうなずく。 ボランティアの調整、物資の管理、避難住民の健康管理、仮設住宅の入居希望調査…。公民館長や区長らがかかわる仕事は際限がない。泉区長は「家に帰って休みたいが、まだそんな時期じゃない」と淡々と語る。 「避難所スタッフ、市職員の疲れはピークに達している」。毎朝、保健師が各避難所の健康状況を報告する会議で、こんな報告が増えている。避難所が寝静まった後、救護班で診療を受ける市職員も出ているという。 心のケアのために現地入りした金沢大付属病院神経科精神科の東間正人医師は「スタッフも被災者であり、相当参っている。交代要員を入れるなど人的応援が必要」と訴える。しかし、輪島市門前総合支所の対策本部は「異動や退職となった職員も門前総合支所に残している。今後はできるだけ交代で休憩を取れるよう職員を配置していく」としている。 (報道部・伊藤弘喜)
|