東京五輪演出の山崎氏、平昌視察 「定型崩し日本らしさを」

2018年2月27日

 インタビューに答える山崎貴氏

 インタビューに答える山崎貴氏

 2020年東京五輪・パラリンピックの開閉会式の演出を手掛けるチームのメンバーで「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズで知られる映画監督の山崎貴氏(53)が27日、平昌冬季五輪の視察を終えて東京都内でインタビューに応じ、東京大会への教訓として「今ある定型のパターンを崩しながら、日本らしさを伝えたい」と語った。

 ―現地で五輪の開閉会式を視察した印象は。

 「非常にまとまっていたが、どこか当たり障りのない感じで驚きはなかった。フォーマットに合わせて用意された演出。そこは少し違う手を使っていかないといけない」

 ―観客との一体感は。

 「小太鼓が配られていたが、意外と使われていなかった。お客さんも一緒に巻き込み、やれるのが一番いい。現場の参加感というかライブ感。心理学的なことを勉強しないといけない気がした」

 ―小型無人機ドローンを使った演出や人の顔をした鳥の像も話題に。

 「意外なところで人は反応する。例えば上半身裸で入場行進したトンガの選手とか。現場とテレビで見ている人たちの感覚を一致させることも注力しないといけない」

 ―東京大会は五輪、パラリンピックの開閉会式を一連の4部作と捉え、起承転結のストーリーを考える役割も担う。

 「全体のうねりの中で大きな物語の流れをつくることを要求されている。難しいが、工夫のしがいはある。『サムライ・フジヤマ・ゲイシャ』ではない日本らしさが全編に通っていればいい」

 ―リオデジャネイロ大会の引き継ぎ式はユーモアを交えて好評だった。

 「あれは8分間の演出に格好良さ、新しさ、面白さが全部凝縮されていた。今の日本ってこんな感じなんだな、と見えた気がして。そこにヒントがあるような気がする」

(共同)

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