7月2日
<中西哲生 Russia>日本のストライカー不足解消の参考になる
1本の強烈な矢より、2本の矢が上回った。ウルグアイの強烈なツートップ、スアレスとカバニはそれぞれ類いまれな得点能力を持つだけでなく、自己中心的ではない。点を取らせることもできるのが強みになっている。
先制点の場面は、カバニのサイドチェンジから始まった。左で受けたスアレスは中央にカットイン。守る側からすれば、シュートを意識しただろう。そこへ速いクロスが逆サイドへ。速くて正確なキックとランニング。ここまで完ぺきなパターンは、防ぎようがない。 スアレスは、バルセロナでメッシと組み、カバニはパリ・サンジェルマンでネイマールやエムバペと攻撃の一角を担う。エゴイストの一面を持つストライカーでありながら、周りを生かす術も知っている。日本ではストライカー不足が課題となっているが、世界は1歩も2歩も先に進んでいる。
ロナルドは不発だったが、ポルトガルも意地を見せた。今大会無失点だったウルグアイに、CKから1点を返した。ポルトガルはCK10本のうち、ほとんど短くつないで中央へ上げた。守る側に、わずかでもズレと迷いが出る。日本も参考にできる小さな工夫だった。
(元名古屋グランパスMF)
