7月2日

<Scouting ラモス瑠偉>これぞW杯!! 最高の試合

フランス−アルゼンチン 前半、アルゼンチンのロホ(右)に倒されるフランスのエムバペ。PKを獲得=カザンで(共同)

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 今大会、これまでのベストゲームといっていいのではないか。素晴らしい試合だった。優勝経験国同士の決勝トーナメント1回戦最高の組み合わせとなったフランス−アルゼンチン戦。ロスタイム、最後のワンプレーでアルゼンチンのシュートが枠をとらえきれなかった。しかし、そのシーンを振り返ると、左からのクロスにアルゼンチンのアタッカー3人がフランスのゴール前に詰めていた。4−4の同点になってもおかしくないラストプレー。これぞW杯だ。

 メッシの戦いが終わった。その試合でニューヒーローが誕生した。フランスのエムバペだ。先制のPKにつながった60メートル以上の驚異的スプリント。ぶっちぎりの猛ダッシュの揚げ句に、相手DFとのフィジカルコンタクトにも負けない強さ。恐るべき19歳だ。

 スピードは、おそらく世界一だろう。それだけではない。自身1点目(チーム3点目)のゴールを決めたときの技術。相手DFの隙間を突破したボールコントロールは絶妙だった。さらにこの日2点目のゴールはGKから始まった攻撃の流れを冷静に見ながら、最後にトップスピードでラストパスに合わせている。1点目は左足、2点目は右足で絶妙なシュートを放った。両足が使えて、スピードとテクニックがある。そしてゲームの流れを読む力。全てを備える恐ろしいストライカーだ。

 この勝利で、フランスは一気に突っ走るかもしれない。強烈なストライカーに加え、中盤と前線の役者がそろっている。特にポグバ、カンテのダブルボランチは、攻守のキーマンとして重要な役割を果たしている。カンテはほぼマンツーマンに近い形でメッシを抑えていた。ポグバはフィジカルコンタクトの強さと独特のリズムで攻撃にアクセントを生み出していた。

 DFラインに甘さはあるが、攻守のバランス、左右のバランスも高く、チームとしての機能性、一体感もある。ジルー、グリーズマンという経験豊富な選手もいる。そしてニュースターも誕生した。2度目のW杯制覇も夢ではない。(ビーチサッカー日本代表監督)

中スポ 東京中日スポーツ

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