6月26日

<目撃者>28日ポーランド戦も本田が切り札

同点のまま試合終了の笛が鳴り、チームメートに声を掛ける本田(左から2人目)(岩本旭人撮影)=エカテリンブルクで

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 【カザン(ロシア)本紙取材団】日本が2大会ぶりの決勝トーナメントに大きく前進した。24日、1次リーグ第2戦でセネガルに2度リードされながら2度の同点弾で2−2の引き分け。勝ち点4とし、28日のポーランド戦で勝つか引き分ければ決勝T進出が決まる。負けてもセネガル−コロンビアの結果次第で進出が決まる。日本初の3大会連続得点を決めた本田圭佑(32)=パチューカ=は、敗退の決まったポーランド相手にもスキは見せない。日本代表は試合会場エカテリンブルクからカザンに戻った25日、約1時間調整した。

      ◇

 本田がほえた。試合終了の笛が鳴るとDF吉田に向かって喝を食らわせた。「ちゃうやろ」。終了間際。セネガルのパワープレーをかろうじて切り抜けた。守備の修正点を告げたのか。殊勲者に歓喜の抱擁はなかった。眼光は鋭いまま。決勝トーナメント進出を懸けたポーランド戦をにらんでいた。

 1分前に2−1に突き放された後半27分にピッチに入った。6分後。乾の左クロスに左足を振り、正確に射抜いた。3大会連続でアフリカ勢からゴールを奪った。「1−1のまま出て、勝ち点3を取りに行けたらという欲はある。それができなかったことで最終戦までもつれる訳で、予定とは変わりますけどこれがW杯でもある」。狙っていたのはあくまで2連勝、1次リーグ突破だった。

 だが、レジェンドに肩を並べた。初戦のアシストに続きゴール。3大会連続の得点&アシストは正確なデータを取り始めた1966年以降では史上6人目。ベッカム、ロッベンらと同じ土俵に立った。「サブに対してこれだけ前向きに考えられたサッカー人生なんてなかった」。切り札としての立場を受け入れ、一撃必殺で仕留めた。

 終盤には右から左へとダッシュでピッチを横断、守備でも穴を埋めた。「僕はね、割とたたかれるのホントに感謝してる部分がある。メディアの皆さんもね、割とそこの上げ下げを楽しむのは僕だけにしておいて欲しいなというふうに思います」。逆境、逆風は大好物。だから、矢面に立つのは自分だけでいい−。ヒーローの立場になり、仲間を思う言葉も発した。

 そして、本田は次戦・ポーランド戦に向けて言った。「我々は変化しないといけない。自分にはいくつかアイデアがあるし、監督にもたぶんあると思う」。サッカー界の停滞は、イコール退化だ。変化、進化し続けないと勝てない。本田のゴールだけでなく、喝にも最敬礼−。

 本田ら控え組が約1時間汗を流した。攻撃練習をした後、岡崎と本田の2人で走り込みを行った。練習開始時点で気温32度とロシア入り後、最高気温を体感。大粒の汗を流した。第3戦のポーランド戦に向けては順調なもよう。初戦後に「コンディションをここからどう上げていくか」と話しており、本田の計画通り大一番にピークを持って行く。(占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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