6月23日

<Scouting ラモス瑠偉>ランク上位下位の差、縮まっている 日本のさらなるサプライズある!!

優勝候補のドイツ、1次リーグ初戦でメキシコにまさかの敗戦=モスクワで(共同)

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 本大会、サッカー界でもグローバル化が急激に進んでいると感じる。例えば、21日のデンマーク−オーストラリア戦。どちらのチームも守備がしっかりと組織され、激しい戦いを繰り広げた。

 かつて堅守速攻は弱者のサッカーといわれたが、現代では決して引いて守ってロングボールを蹴るだけではない。コンパクトで強固なブロックを形成し、前線や中盤の、相手ゴールに近い位置でボールを奪う。そこから縦に速い攻撃を仕掛け、一気にシュートまで持ち込む。駄目ならポゼッションして、もう一度つくり直す。

 かつては個人技の南米とか組織のヨーロッパとか、パワーとスピードのアフリカスタイルというものが存在したが、メキシコやセネガルはものすごく組織的だし、モロッコやアイスランドのような小さな国でも素晴らしいサッカーをしている。

 逆にスペインやブラジル、ドイツ、アルゼンチンなど、優勝候補と呼ばれる“大国”が苦戦を強いられている。なぜなら前回大会と比べ、それほど進化していないからだ。コロンビアも同様、センターバックやボランチがもろさを露呈し、日本に敗れた。

 今大会、組織的なサッカーを身に付けたチームが多くなったため、ここまで(6月21日現在23試合消化)大差のついた試合が少ない。総ゴール数も大幅に減っている。PKやセットプレーからの得点の割合が高いのも特徴だ。ただ、ゴール数が少ないと言っても、ぎりぎりの戦いで、タフでスぺクタクルなゲームが多い。FIFAランキングの上位国と下位国の差が確実に縮まっている証拠だ。

 次に日本と対戦するセネガルは今大会、サプライズを起こす予感がする。ただ、西野ジャパンも縦に速いサッカーができつつあり、世界の流れに乗っている。セネガル戦でも中盤を厚くし、局面で2対1(数的優位な状況)をつくって速いパスワークで突破していけば、必ずチャンスがある。W杯は何が起こるか分からない。日本にもサプライズを起こす可能性は十分にある。 (ビーチサッカー日本代表監督)

<今大会のゴール> 今大会のゴール数は6月21日現在(23試合消化時点)で51ゴール。前回大会は23試合時に66ゴールで15ゴール減っている。また、2点以上の差がついた試合はわずか5試合。前回大会の9試合から半減。1試合で両チーム合わせて4ゴール以上決まった試合数は7から3と半分以下になった。

中スポ 東京中日スポーツ

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