6月20日
<中西哲生 Russia>理にかなっていた本田の投入機
試合の入り方が、この試合のすべてを決めたと言ってもいい。5分もしないうちに相手が10人になり、先制点を奪った。
守備で前に行き過ぎず、いい角度を意識しながら、ボールを奪ったことが、あの退場シーンにつながった。両チームにとって想定外の展開となったが、その経路は決して偶然ではなく、日本の動きが呼び込んだものだった。
試合運びには難があったが、後半15分過ぎから、コロンビアの動きがガクッと落ちた。10人で走り続けたツケが回ったこともあるし、引き分けでもOKという意識もあったのだろう。日本の攻撃に少しずつリズムが出てきたところで本田の投入が功を奏した。
今の本田は、ハイテンポな試合では難しいが、時間とスペースができた状況なら、技術力が生きるし、セットプレーも武器になる。香川の先発、勝負どころでの本田の投入は理にかなっていた。
ほとんどの選手が80分以上、10人を相手にする試合を想定していなかっただろう。先制後、チームとしての動きが、あいまいになってしまったのが課題だろう。
選手にはおめでとうと言いたい。と同時に、この勝利を決勝トーナメント進出に生かしてほしい。
(元名古屋グランパスMF)
